第53話 サクセス会議

 その夜、ちびうさがゲロゲロを抱きながら寝静まった頃……俺達は、会議を開いていた。



「さてみなさん、本日の議題についてはちびうさの家族についてです。何か今日わかった事や感じた事、又は今後やるべき事について、何かある方は挙手を願います。」



 司会進行はもちろん俺。



「はい!」


「リーチュンさんどうぞ!」


「可哀想だと思います。」


「……はい、ありがとうございます、他には?」


「はい。」


「シロマさん、どうぞ。」

 

「まずあの子についてです。サクセスさんはあの子をどうする考えですか? 保護するにしても、私達は冒険者です。ずっと面倒を見るのは厳しいかと。かと言って預かってくれるような人は思いつきません。」


「……司会への質問は却下します!」


「えぇ!」


「では、他の方いませんか?」


「はい、先生。」


「イーゼさん、どうぞ。」


「とりあえずサクセス様は、あの子を助けるつもりですよね? それならば二手に別れて調べるべきです。昼間は闘技場とお城を調査しましょう。後、夜は、ギルドと劇場で情報収集です。」


「素晴らしい提案です! 流石ですね、イーゼ首席。」


「先生に褒められるなんて嬉しいわ。この後、個人レッスンをお願いしますわ。」


「それは却下です。では今の意見について、班編成を決めたいと思います。」


「はいはいはい!」


「リーチュンさん、はいは一回でお願いします。」


「はーい、アタイは闘技場に行きたいです!」


「希望かよ! 却下です。」



 リーチュンは項垂れる……。



「はい」


「どうぞ。」


「今朝話したように、明日は私とサクセスさん、明後日はサクセスさんとリーチュン、最後はサクセスさんとイーゼさんでどうでしょう? 毎回同じだと怪しまれますから、最適かと思います。」


「わかりました。その提案を認めます。異議のある方は挙手をお願いします。」



 ……。



「それでは異議が無いようですので、採用します。次に……。」



 その時イーゼが手を挙げた。



「どうぞイーゼさん。」


「シロマさんの提案は、私も同意なのですが、その間ちびうさちゃんはどうするんですか? ゲロゲロに任せるのも難しいかと……。」


「確かに……。では、変装させて俺の班に入れるか?」


「サクセス様、一つのペアはカップルを装うべきです。なので逆の方がよろしいかと。」


「私もイーゼさんの意見に賛成です。後、最初に話した通り、もしも両親がどうにもできなかった時について決めた方がいいです。」


「アタイが育てるわ!」



 うん、もう会議形式はなしね。

 もうめんどいからいいや。



「リーチュン、冒険者をやめるのか?」


 

 俺の質問に一瞬固まるリーチュン。

 だが、答えは比較的早かった。



「……冒険者に育てるわ!」


「あのなぁ、本人が希望するならわからなくも無いが危険過ぎるだろ。それならばセンニンに保護を依頼した方がいいだろ。悪いようにはしないはずだ。あそこなら教育も受けられる。」


「それが良いですわね、王の保護があれば、修道院でも侍女でも、選択できますしわ。流石はサクセス様ですわ!」



 お、どうやら俺の案は中々良かったらしい。

 全員がうなづいている事だし、それで決定でいいかな。



 よし、やることは決まった。

 早速明日から始めよう。



 今回の作戦は……



【みんながんばれ】 だ!

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