第137話 陥落後

小田原城を落とした話はすぐに全国に広がる。

特に上杉景虎は自身が落とせなかった事もあり、悔しそうにしていた。

「悔しいものよなぁ、関東を狙うのは無理か・・・皆よく聞け、我らは北陸を取りに向かう。」

「殿!」

「ふっ、関東管領・・・夢物語だったか、だが、上杉家を滅ぼす気はない、今後北陸を抑え国力を増すぞ、あと、織田と同盟をはかる、当家と織田と土御門の三国同盟を行うぞ!」

「わかりました、直ぐに手配致します。」

直江景綱は織田との同盟に動く、織田としても土御門と同盟しているとはいえ大きくなる土御門に対抗する力を欲していた為に同盟は直ぐに成功する。


そして、景虎は歴史上関東出兵に使っていた力を全力で北陸取りに向かわせる。

武田と消耗戦を行わず、関東にも行ってない上杉には力があった。

能登の畠山、加賀の本願寺を一気に追い詰める、両者は籠城し、時間を稼ぐだけとなっていた。


一方、織田もヒロユキが関東に向かったことを喜びつつ、あまりの強さに警戒心を抱いていた、

「信長様、土御門家を今後どうしますか?」

丹羽長秀は悩んでいた、市が嫁いでいることで縁戚になっているとはいえ、あまりの勢力拡大に警戒すべきか考えていた。

その為に上杉との同盟も信長に訴え、結ぶ事に成功していた。


「大丈夫だ、ヒロユキは敵対せねば信義に背くような男ではない、それより、畿内を制圧することに注視せよ、後方が安定している今が好機である。

勝家に摂津を、一益に伊勢に、大和には秀吉を派遣せよ。」

「はっ!」

信長は美濃、尾張の力の大半を使い、鎮圧戦を開始する。

安定までには今暫しの時が入りそうだが、大方平定する事に成功したのだった。


世間が動く中、ヒロユキは制圧した地域の統治に苦心していた、北条家を慕う者が多く、他の地域と違い、直ぐに傘下に入る感じはなかった。

その為に川越に逃げた北条氏政を追撃する訳にはいかなかった。

マサムネが警戒しつつ、徐々に領土を広げ、ヒロユキが統治に専念する。

こうして少しずつ、支配地域を増していた。






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