第123話 面倒臭い宗教

「ヒロユキ、本願寺と揉めてると聞いているが大丈夫か?」

「まあ、直ぐに何かあるわけではないでしょう。それに俺が余所者ということは本願寺も知ってる筈ですからね。

少し待てば信長殿のが支配するのですから。


もし、本願寺から俺を押さえるように言われたら了承しておいてください。」

「ありがたい、それでワシに恩を売らすのだな。」

「少々ヤラセですがね。今のうちに俺が本願寺と民に楔を入れておきます。」

俺と信長は笑いあう。


そんなおり、三河からリクがコンクリートと共にやって来た。

道を整備をするためにコンクリートを用いるつもりであった。

その為、専門家になってるリクにきてもらったのだ。

「リク、堺~京までの道を頼むよ。入る手前で砦も作ってもらうけどね。」

「解ってるよ。任してくれ!」


こうして道路建設を行う。利便性が上がり商人からの好感度も得ながら、俺の開発が進む。


とある日、ルイス・フロイスがやって来た。

どうやら京で信長と会い布教の許可を取ろうとしたようだが、本願寺との関係を考え信長は保留にしていた。


そして、現在畿内の有力勢力になっている俺に後ろ楯になってもらう為に挨拶に来たようだった。

「お目にかかれて光栄です、ルイス・フロイスにございます。」

ルイス・フロイスは二人の共を連れている。

「はじめまして、土御門ヒロユキです。此度はどのような用件でしょうか?」

「はい、ヒロユキ様にもキリストの素晴らしさを知っていただきたく、此方に参りました。」

それからフロイスは地球儀、時計を持ち出し、西洋文化の先進性を訴え、キリストの教えの素晴らしさだけを語る。

一通り聞いた所で、俺は質問する。


「この国には既に貴殿が言うところの神である、天照大神がおられる。

それをどう考えるか?」


「それは先住の方が他の神を信じているのも仕方ない事かと・・・」

「おや、おかしいな、貴殿らキリスト教会は他の神を認める事は無いと聞いたのだが?私の間違いだったのだろうか?」

フロイスは涼しい顔で受け流していたが、共の二人は苦々しい表情を浮かべ、

ポルトガル語で一人が

『主の素晴らしさを解らぬ猿め、さっさと奴隷になればよいのだ。』

『確かに奴隷が偉そうにふんぞりかえり、ボス猿きどりか』

『違いない、頭の悪い猿どもは俺達に従えばいいんだよ。』

と言いたい放題言っていた。


『おいおい、人の国でトップを猿呼ばわりか?西洋では領主を猿呼びしても罰は無いのか?』

リクがポルトガル語で言い返し、俺に訳を伝えてくる。

「ヒロユキ、こいつらお前の事、猿だって言ってるぞ。あと、奴隷だとさ。」


「へぇーやっぱりそんな事を言っていたか。フロイス、これがお前が言うキリスト教なんだな。

言葉が解らないと思い、ふざけた事を言うようではろくな宗教ではないな。」

フロイスの顔が青くなっている。

後ろの二人が罵声を言うのは時々あったが、ポルトガル語が解るものがいないこの国では今まで問題なかった為に放置していた。


「ご、誤解にございます、彼らは主を否定されたと思い、悪意なく罵声が出たのでございます。」

「ならば、新大陸で行われている先住民への略奪行為について弁明は?」

「それは・・・」

「アフリカ大陸での奴隷売買はどうなっている。」

「・・・」

「インドはどうだ?どうした何か答えてみよ。」

「・・・それは我らのしたことではございません。」


「確かにな、だがお前らが布教した後に国が攻め、キリスト信者が内部より破壊する。

これでもお前達は関係無いと言うのか?」

遂にフロイスは黙り込んでしまった。


「ふむ!認めたということでよいな、この者達を牢に入れよ。

あと、港にいる南蛮船も押さえるのだ。」

俺は堺にいた、南蛮船を差し押さえるのであった。

こうして俺は南蛮船を拿捕する事に成功した。



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