第35話 長野と対峙!
俺は上野に入ると長野業正が軍勢一万二千を集めて布陣していると聞いた。
どうやらこちらの数を見て、強気に攻勢に出るようだった。
「正成、今、各地の城は手薄だとおもう、箕輪城に手の者を入れる事は出来るか?」
「どの城にでも送り込む事は可能にございます。」
「頼もしい言葉だね、じゃあ、なるべく多く
、潜ませておいてもらえる?軍勢を破ったらその勢いで箕輪城に攻め込むから、扉を開けて欲しい。」
「かしこまりました。お任せあれ。」
「さて、マサムネいきなり出番だよ~」
「おう!」
「先陣はマサムネに兵二千、重信、公重は五百ずつでマサムネの左右に配置する、マサムネの援護をして。
守綱は千を率いてマサムネの後詰を、
康政は五百で本陣の指揮を。
景久は俺の護衛を頼めるかな?」
「「はっ!」」
「マサムネ、敵の混乱が見えたら突撃して、重信、公重はそれに続くこと。」
「混乱ですか?」
重信が不思議そうに聞いてくる。
こちらは五千しかおらず一万二千に突撃すると全滅するしかないように感じる。
しかし、マサムネは不安そうにしている重信を笑い飛ばし。
「重信大丈夫だ、もし混乱しないようなら逃げてもかまわない、正し、敵が混乱しているのに逃げだしたら天下一の臆病者と呼んでやるからな。」
マサムネが笑っているのに追従するかのように公重も重信をからかいだす。
「高々、二倍の兵ではごさらぬか、斬れば良いのだ。」
「なっ!誰が臆病者だ!確認しただけではないか!あの程度、我が剣の前に敵ではないわ!」
重信が顔を真っ赤にして怒っている。
「あー無理はしなくていいから、必ず混乱させるから。
次に守綱は敵を打ち破ったあと箕輪城に急行してもらうから、なるべく戦闘は行わず疲弊しないように心掛けて。」
「戦わないのですか?」
「戦う必要はないと思うよ。あと、みんなに言っておくけど、この戦、敵を破るだけじゃダメだから、城を落として北条に売るのが仕事。
忙しくなるけど頼むよ。」
「「ハッ!」」
各自が配置についていく。
長野業正の陣では・・・
「おい、本当にあれだけなのか?」
業正の息子、業盛は布陣する武田軍を見て少なすぎる事に驚いていた。
業正は敵を見ながら考える。
「ふむ、こちらは陽動かのぅ?乱波よ、他に武田軍はおらぬのか?」
「申し上げます。こちらに向かって来ておるのは目の前の軍のみにございます。」
「あれだけか?見くびられたものよ。いくら近年野戦で負けていようともこの兵の数なら勝ちは揺るぐまい。
皆、抜かりなく、武田を打ち破ろうぞ!」
「「おおー!!」」
業正は周囲の士気をあげつつ、乱波に周囲の警戒、軍勢の有無を確認させていた。
何処かに伏兵がいる筈、経験豊富な老将は油断なく、勝つ方策を考える。
戦場の空気は張り詰めて行く・・・
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