戦国転移、修学旅行から川中島へ!
カティ
第1話 プロローグ
修学旅行、それは高校生活最大のイベントと言っても良いんじゃないだろうか。
俺の名は土御門 洋之(ヒロユキ)
歴史好きな高校生だ。
今回の修学旅行の日程では善光寺に行った後でスキー場に向かうようだが俺としては何処かで抜け出して川中島古戦場に行きたいところなんだが・・・
「ヒロユキ、楽しんでるか~」
俺に声をかけてきたのは、
立花 正宗(マサムネ)
趣味は筋トレ、特技も筋トレ、人生筋肉といった脳ミソまで筋肉のヤツだが、何故か馬があい親友となっていた。
「ちょうどいい。なぁ、マサムネ、こっそり抜け出したいが協力してくれないか?」
「なんだ?どっか行きたい所でもあるのか?」
「川中島に行きたい、あと松代城にも行く。」
「おいおい、決定かよ。それで何をすればいいんだ?」
「善光寺が終わったら、点呼の時に俺がいることにしてくれ。バスが出発したら俺は川中島に向かう。」
「無茶を言うな。」
「頼むよ、ここまで来ることなんて滅多にないんだ。」
「まあ、いいさ、それより俺も連れてけよ。」
マサムネは満面の笑みで参加を告げる。
「はあ?誰がアリバイ作るんだよ!」
「なに、田中にでもやらせるさ。それより抜け出すなんて楽しそうな事、俺もやるぞ!」
「まあ、代弁者がいるならいいが・・・」
「なら決まりだな、決行は善光寺観光の後だ。田中には俺から言っておくよ。」
マサムネはそのまま田中 重人(シゲト)に声をかけに言った。
アイツの頼みを断れるヤツはこのクラスにはいないだろう。
そして、善光寺。
ここは俺も興味がある為、真面目に観光する。
「ねえ、ヒロユキくん。」
俺が振り返ると其処にはクラスのアイドルたる、三条 美幸(ミユキ)がいた。
「な、何かな三条さん?」
「あ、あのね、この後のスキー場で一緒に滑らない?」
この嬉しい誘いにいつもなら二つ返事でOKといいたい!・・・だが、今の俺には歴史観光が待っている・・・
「ご、ごめん、俺は滑らないから・・・」
「そ、そうなんだ、でも、私も初心者だし、一緒に覚えようよ?」
「い、いや、じゃなくて、その場にいない?かな?」
「えっ?いない?スキーは強制参加じゃなかった?」
「あっ!」
俺は眼をそらす。
「ねぇ?どういう事なのかな?」
三条さんはジト目で見てくる。
「な、なんでもないよぉ~」
「こっちを見て話してくれるかな?」
俺は抜け出す事を白状させられる。
「ふーん、立花くんとデートするんだぁ~」
「デートじゃない!二人で抜け出すけど決してデートではないんだよ!」
「なら、私も行っていいよね?」
「えっ?でも、こんな事をしたら先生に怒られるよ?」
「それはヒロユキくんも一緒でしょ?どうするの?一緒に行くか?行けないか?選んで?」
「うっ、ホントに知らないからね、怒られるのは自己責任ということなら。」
「うん、じゃあ私もミチに代弁してもらって来るね。絶対に先に行っちゃ駄目だよ。」
ミユキは松坂 美智(ミチ) の元に走って行った。
バスの集合時間、点呼がザルな先生方のお陰でバスは三人を残して走り去った。
「マサムネ、三条さん、ホントによかったの?まあ、マサムネはいいんだけど。」
「お前はなんで俺はいいんだよ。」
「怒られるのなんて今更じゃん。」
「そうだけどな。」
「私もこんなことするの初めてでドキドキしてるよ。でも、どうしても行きたかったの。
それより、ヒロユキくん。私の事も名前で呼んでよ。」
「えっ?」
「私だけ名字呼びなんて仲間外れみたいだよ。マサムネくんも名前でいいからね。」
「いいの?」
「うん、それにヒロユキくんに呼ばれるなら嬉しいかも・・・」
「じゃあ、ミユキさん。」
「はい♪なんですか?ヒロユキくん。」
笑顔で答えてくれたミユキに俺は顔を赤くする。
「ふぅ、暑いね、お二人さん。俺も仲間に入れてくれよ。」
「マサムネ!何をいってるんだよ!」
「それよりいこーぜ。」
「いつ追手に見つかるかわからないからな。」
「追手って・・・まあ、見つかると不味いからねせめて観光が終わるまでは!」
「そういう事だ、ミユキさんも行こうか。」
「はい、行きましょう。ヒロユキくん。」
ミユキに出された手を何気なしに握り、そのままバス停に向かった。
「やれやれ、ホントに邪魔者だな、ミユキさんには悪いことしたなぁ~」
二人の後からマサムネが着いて行く。
バスに乗り、一路、川中島へ!
「ふふん♪」
「ヒロユキ、上機嫌だな。」
「だって、川中島だよ!なかなか来れないよ!」
「そりゃ地元から遠いからな。」
「そうだよ!なのになんでスキーで時間潰すのさ、予定を立てたヤツの頭がおかしい!」
俺の憤りをマサムネは冷静に否定する。
「いやいや、もともとスキーがメインだからな。」
「いっそ、今晩帰らず上田城や松本城も見に行ってやろうか。」
「さすがにやめとけよ、警察に捜索願が出されるだろ。」
「ヒロユキくんが帰らないなら私も帰らず着いて行きますよ。」
「・・・いや、それはまずいでしょ!」
「なら、ちゃんと帰りましょうね。」
「うー、はい。」
ガタン!ガタガタガタ!
バスが大きく揺れ、止まる。
「なんだ!」
窓から景色を見るとさっきまで町があったはずなのに、何もない場所、周囲は草原となっていた。
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