応援団長

まえがき

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異世界帰りの邪神の息子~ざまあの化身が過ごす、裏でコソコソ悪巧みと異能学園イチャイチャ生活~

に変更しました!これからも拙作をよろしくお願いします!



「おはよう諸君。今日は戦闘会の対人集団戦部門となるが、勝敗に関わらず良かった点、悪かった点を反省して、自分たちの糧にしてほしい」


 本当に胃が痛そうですね学園長。瓶で胃薬一気飲みします?


「それと来週からロシア異能学校の生徒と教員達がやって来る事となった。来月にはイギリスも予定している」


 そうか謎は全て解けた! イギリス校が我が帝国に来ることは以前チラッと聞いたことがある。そして来週先にロシアが来る事になったとなると、水面下でバチバチ状態の両国に挟まれて胃を痛めたに違いない! なんたって両国ともヒュドラ事件の時は、混乱しつつもお互い絶対嫌がらせをしてくるに違いないと、牽制しまくってたみたいだからな。


 学園長の胃を痛めつけるだなんて、全くなんて奴らだ。


「貴明、ロシア語はいけるか?」


「全く問題ありません!」


 へん、舐めてもらっちゃ困りますよ学園長。さっぱりだなんて言うと思いましたか? この邪神四葉貴明に話せない言葉はないと思って頂きましょう。


「流石だな。ないとは思うが、前回の様に通訳の都合がつかなくなったら頼るかもしれん」


「任せてください!」


「あいつ多才すぎじゃね?」

「やはり六羽烏に相応しい」

「ワイもロシア語話せたら美人のねーちゃんとお近づきに?」

「まず鏡見てからね」


 俺が主席として頷くと、マジかよとざわつくクラスメイトの皆さん。いやあ、実はロシア語も話せるんですよ。ふふふ、ははは、はーっはっはっはっは! どうですか皆さん! これが主席ですよ! しゅ!せ!き!


「それでは諸君、戦闘会を頑張ってくれ」


 おっとテンション上げすぎてしまった。早速チームで集まらないと。


「凄いね。ロシア語まで話せるんだ」


「いやあ、でへ、でへへ」


 佐伯お姉様の机にブラックタールチームが集まったが、その佐伯お姉様に褒められてしまった。凄いでしょ、これが生まれながらのチートってやつなんです。いや、マジで世界最高のチートじゃないか? なにせ通訳の仕事に困らないどころか、急に日本が異世界に吹っ飛ばされようが、地球に宇宙人がやって来ようがこれ一つで何とでもなるんだ。地球代表は揉めに揉めるだろうが、地球代表通訳は四葉貴明に間違いなし。名乗るか? 名乗っちゃうか?


「よーし、試合は朝からだし気合入れていかないとね」


「ええ」


「そうだな」


 我がチームの試合は午前中だだだだ、佐伯お姉様!? 体をぐーっと伸ばして気合を入れられると、その意外にあるお胸がががが!


 おっとクールになれ俺。意外とか思ってるのがばれたら、馬鹿達と同じように蒸発させられてしまう。


「炎属性だからって髪に赤いメッシュ入れて、その上ボクっ娘の癖に巨乳とか属性盛り過ぎじゃね?」

「そのうち眼鏡をかけだすな」

「あざとい。流石佐伯あざとい」

「絶対に婚期を逃すわね。絶対」


 ひょえっ!? あの馬鹿共正気か!? いかん室内温度が一気に上がった!


 撤退!


「「「「ぎゃああああああああ!」」」」


「ふう、危うく巻き込まれるところだったわ……」


「四馬鹿め」


 慌てて橘お姉様、藤宮君と一緒に教室から出ると、背後から悲鳴が聞こえてきた。うーん、試合前に連携は問題ないことが確認できたな。


 っていうか何がぎゃあだよ! 分かり切ってるだろ四馬鹿共!


 お姉様がいないのは、たぶんいつもの素敵なニタニタ笑いで馬鹿共を見ているからだろう。流石ですお姉様!


 ◆


『おおっと! 5番闘技場の3年生チームが散開した!』

『集団戦部門は初戦ですから、実験的にアメリカ校の散開戦術を取り込んでみようと思ったんでしょう』


『全員超能力者という前評判では色物チームが、速攻で相手を完封しました!』

『瞬発力という点では、超力に分がありましたね』


「中々面白いですねお姉様」


「ええ。思ったより冒険してるチームが多いわね」


 佐伯お姉様がウォーミングアップを終えられた後、我がチームは控室で待機しているのだが、テレビに中継されている試合は何というか興味深かった。お姉様の言う通りかなり冒険的なのだ。


「超能力者で固めたチームか。また尖っているな……」


「散開戦術を取ったチームは全員霊力者だね。個々の速度で的を絞らせていないよ」


「でも浄力者がないのなら、長期戦という点では不利だわ」


「妖異は身体能力、耐久性、タフさの全てを上回っていることが多いからな。同じ人間ならある程度持久戦の考えを捨てて、攻撃に振るのも分からなくはない」


 藤宮君達も感想を言っているけど、通常四系統の能力者を揃えて安定感を出すのが対妖異戦のセオリーなのに、それをぶち破ったチームがちらほらいる。そういうチームに散見される戦術思想は、藤宮君の言う通り相手に何もさせず速攻で潰す事だ。


 そしてこれまた藤宮君の言う通り、通常の対妖異戦ではこの戦法はまず取らない。なにせ妖異は人間よりも遥かに頑強で、中途半端な速攻ではこちらが先に音を上げることになるからだ。そのため瞬発力に欠けてようが大火力を発揮する魔法使いと、こちらの底上げと妖異の弱体化を担当する浄力者はどうしても欲しい。


 しかし対人戦ならそれらをバッサリ捨てて戦うことの奥義の一つである、相手に何もさせず主導権を握り続ける、そして勝つ。をある程度求めることができると判断したのだろう。そしていくつかのチームではそれが可能だと実証していた。


『ですが全体的には四系統を揃えたチームが勝っていますね』

『やはりセオリーは安定しているからセオリーなのでしょう』


「ま、そこそこちゃんとした正統派チームには通用してないみたいね」


「ですねお姉様」


 しかし四系統が揃って安定しているというのは、数々のトライアンドエラーの下に結論付けられたのだ。稚拙な速攻では浄力者のバフを受けた霊力者と超能力者を抜けず、そのまま魔法使いの火力でぶっ飛ばされていた。


 ふーむ。異能者の逮捕は警察の領分だが、彼らにどちらがいいかの結論を聞きたいな。案外どちらも正解だと答えが返って来るかな? まあ結局呪術は対人において最強という結論しか出ないんだがな! つまり善良な呪術師が最強。証明完了。穴は善良な呪術師なんていないことだが。


「そろそろ準備お願いします!」


 む、係員の職員さんに呼ばれた。ついに我がチームのデビュー戦だ!


「よーしいっちょやりますか」


「ええ」


「そうね」


 椅子から立ち上がる頼もしき我がチームメンバー達。


 そしてついに入場ゲートに到着する。


 大丈夫だ。皆とだったらどこまでも行けるだろう!


『それでは続いて、チーム"花弁の壁"の入場です!』


 佐伯お姉様!


 橘お姉様!


 藤宮君!


 がんばえー!

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