第4話

スゲェ!なる、目一杯の褒め言葉を連呼したのに。藤島くんとやらはお気に召さなかったらしい。


次の瞬間、俺は殴られたんだ。


左頬に激しい痛みを感じたと思ったら、

俺は道路脇に吹っ飛んだ。


最悪なことに電柱に頭をぶつけ、

俺は小さく、痛...とだけ呟いた。


こういう時。


警官でもパトロールしていてくれれば

傷害罪若しくは暴行罪で現行犯逮捕できるんだろうなと思った。


それか、誰か目撃者がいてくれたら...

立件できるんじゃないか...


いや、でも、未成年だから捕まることは

ないのか...。


その辺は詳しく法律を調べないと

ハッキリしたことは言えないな...。


俺はそんなことを考えつつ、痛みに耐えてた。


鼻からツーっていやな感じの血が流れてきて、

俺は大慌て、ズボンの右ポケットに入ってたハンカチで鼻を押さえた。

カバンからポケットティッシュを出す余裕はなかったんだ。


「んだよ、なんだよ、その適当な称賛はよ!

棒読みじゃねぇか!

お前、思ってないだろ、俺のこと本当にリスペクトしてねぇだろ...!」


ハッキリ心の中で言おう。

お前に対してスゲェなんてこれっぽっちも思っていない、と。


そんなものはな、俺にとってどうでもいいこと。ユーコの彼氏の目を見ることなく、

俺はずっと下を向いていた。


誰が学年トップで、誰が運動もできて、誰が水泳部のエースだろうと、俺にとっちゃ関係のないことなんだ。


俺は自分の身のことで精一杯。

他人と比べて自分を卑下する暇(ひま)があるなら、

劣等感に打ちひしがれるいとまがあるなら、

とっとと帰宅して勉強する。


それが俺だ。



参考書開いて、定期考査や模試に出そうな箇所だけを徹底的に暗記するさ。


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