第5話 開店!

「キマさん、張り切って行きましょう!」

「そうだね。頑張ろうね」

そう、私たちは……店を開くのだ!

その名も……


「白雪!」


キマとユヤの、キとユで、ユキで、なんか可愛いから白を付けてこうなった。

「今日開店です!仕立て屋を始めました!」

私の得意な刺繍と裁縫を元にやることになった。

「僕はお客さんと話すのと情報収集を頑張るね。」

「はい。頑張りますわ。」

せっかくの商売なのだ。頑張らなくてどうする。


「こんにちわぁ。やっているかしら?」

開店した、朝9時から2時間後の11時にお金持ちに見えるおばさんがやってきた。

「はい。今日から営業していますよ。ご要件ななんでしょうか?」

「いえねぇ、最近新しい服を買ったのだけれどそれに合うスカーフが無くて……それでお店を探してたらちょうどいい所にあったのよ。頼める?」

「はい。大丈夫ですよ。生地の色は?」

「うーん……そうね、白の生地に赤い薔薇の刺繍がいいわ。それから……」


しばらく、キマさんとそのおばさんは話し込んでいた。10分程経つとキマさんが白い紙に何やら絵を書いて持ってきた。

「これを頼む。明日の午後1時に届けることになった。明日の夜に、パーティーがあるらしい。」

「分かったわ。それで、なにか話せた?」

「時間があると言うからあと、20分ほど他の物を見ながら話すことにする。見本を少し作っておいてよかったな。」

「そうね。頑張るわ。」


とりあえず、部屋に引っ込んで作業をすることにした。

「久しぶりね。腕が鳴るわ!」

この仕事で上手く行けばお得意様になってもらえるかもしれないのだ。

「頑張るわ!!!」

そう意気込んで、作業を始めた。


「パーティーはどこでやるのですか?」

「私の家でやるのよぉ。友達を沢山誘ったのよ。」

「ほー。それは、楽しみですね。」

「そうよ。今から料理を作るのだけど腕が鳴るわ!」

「ご自分で作るのですか?」

「そうよ。今、王都の方が大変なことになってて、あまり人を雇えないのよ。」

来た!とキマは確信した。

「なにか起こっているのですか?」

「起こっているの騒ぎじゃないわよ。今、王家の方が色々大変なことになってるらしくてその周辺の治安が悪いみたいなのよ。

王様がいると言うのに治安が悪いだなんて怖いわ……」

「ふーん……何で騒ぎが起きているのですか?」

「そこまでは知らないわぁ……ほんとに怖いわぁ……もう、やだぁ。」

とりあえず、少しは有益になった。

王都が荒れてるのならこっちも行動を起こしやすい。

まだ、起こしはしないがいつかは起こすのだ。

「それは、怖いですね。パーティーが出来てよかったですね。料理が出来ると言うことは、得意料理は?」

「私はねぇ……」


その後は、雑談をして12時頃に帰っていった。

「ふーぅ。少しは良かったかな?それよりもユヤの方はどうかな?」

「私は、いい調子ですよ。少し休憩させていただきますわ。」

「わっ!ユヤ……居たのか……ゆっくり休みな。大丈夫だよ。」

「ええ、そうさせていただきますわ。」

聞かれてないか心配だが、大丈夫だろう。


その後は客は1人も来なかった。

「また、明日頑張りましょう!

それでは、おやすみなさい。」

「うん。おやすみ。またね」


明日は2人くらい来て欲しいな……

そんなことを思いながらキマは寝た。

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