第3話


今、季節は夏。夏休み真っ只中。

俺は本当はゲームして遊びたい所存だが

生憎と受験生。

高校受験まであと約半年。

漫画本やエロ本の閲覧は極力我慢だ。


最も、俺にはエッチっぽい

家庭教師の先生が付いてる。

日曜日の14:00ーからたった一時間の指導だけど、見た目が巨乳でお尻もでかくて色気ムンムンだから、成人向け雑誌は読まなくても平気っちゃ平気だった。


それに馬の前に人参をぶら下げて走らせる、

じゃねーけど、


俺はこんなご褒美を与えられているんだ。


「ねぇ、シンジくん。成績が上がったら

何か欲しいもの買ってあげよーか?」


「あ、いや、先生!」


俺は待ったをかけた。

現状、俺の物欲、睡眠欲、食欲は程々に満たされてる。


超健康体の俺。満たされてないのは

性欲、この、ただ一つのみ。


だから、俺は思い切って言ったんだ。


「あ、あの、真島先生!

総合テストでいい点、取ったらむ、胸...

揉ませてくださいっ...!!」


俺がそんな宣言を勉強中にしてたら、

思わぬ邪魔が入った。




バアン...!!と大きな音がした。


何事!?と思って、音のした方を見ると

義妹ユーコが蹴り終わったあとの姿勢でいた。


そんでもって鬼の形相で腕を組んでこっちを

睨みつけてた。


ユーコの奴、

俺の部屋のドアを

蹴り飛ばしたんだ。


元、空手部、女主将のユーコ。


とんでもない脚力(キック力で)で

俺の部屋のドアは破壊された。


「え?」


ユーコときたら怖い顔してた。


目は釣り上がり、俺のこと、まるで

汚いゴキブリでも見るよーな表情してた。


「シンジ、お茶とお菓子、

持って来たよ」


「今日は私、頑張ってシフォンケーキ焼いてみたけど??

ここ、置いておくね...!」


ガチャン...!!


大きな音を立てて、

お盆に乗ってはいたが紅茶とケーキが

床に置かれた。


な、何て乱暴なやつ...!


ドアを破壊されたせいで。


暫くの間、俺と家庭教師の先生との

会話は、狭い家ゆえ、

余程、小さな声で会話しない限り、

家族に筒抜けになることとなった。

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