もふもふ

(怪談えほん応募作品)

ゆめのなか　じぶんのへや

もふもふに　ふれた

もふもふは　もふもふしていたけれど

みようとおもって　さがしたら　みつからない

でも　みてるところと　ちがうばしょに　もふもふ　さわってくる

そこをみても　もふもふは　もういない

もふもふは　あったかい

たぶん　こいぬか　こねこか　うさぎか

なんかそういう　もふもふしたやつ

つかまえたくて

ゆだんさせようと　しらんぷりして

もふもふがくるのを　まってても

おもってたのと　ぜんぜんちがうばしょに　あらわれて

あわててそっちをみても　もういない

たのしくなって

おにごっこ　みたいに

わくわくして

たのしくなって

すばやく　ふりかえったり

あしもとを　みたり

くうちゅうを　つかんだり

いろいろ　してみたけれど

もふもふは　つかまらない

もう　あきらめようかな

て　おもったときに

かおの　まえに　もふもふが　いた

けだま

もふもふな　まるい　いきもの

みみも　めも　ない

くちが　おおきくあいて

「ご　ち　そ　う　さ　ま」

ぼくは　もふもふに　たべられた

ぼくは　もふもふに　なった

これは　ゆめだから　だいじょうぶ

おきなきゃ　おきなきゃ　おきなきゃ　おきなきゃ　おきなきゃ　おきなきゃ

ぼくは　たべられてないし

ぼくは　もふもふに　なってない

これは　ゆめだから　だいじょうぶ

だいじょうぶ　だいじょうぶ　だいじょうぶ　だいじょうぶ　だいじょうぶ　だいじょうぶ

だいじょうぶって　いうこえは　おかあさんのこえになって

だいじょうぶって　いうこえは　おとうさんになって

だいじょうぶって　いうこえは　おばあちゃんになって

だいじょうぶって　いうこえは　おじいちゃんになって

だいじょうぶって　いうこえは　しらないだれかになって

おきなきゃ

めを　さまさなきゃ

めを　さまさなきゃ　さまさなきゃ　さまさなきゃ　さまさなきゃ　さまさなきゃ

めを　あけなきゃ

めを　あけなきゃ　あけなきゃ　あけなきゃ　あけなきゃ　あけなきゃ　あけなきゃ　あけなきゃ

おきて

おきて　おきて　おきて　おきて　おきておきておきておきておきておきて

ねぇ！

おきてよ！

「ご　ち　そ　う　さ　ま」