辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
プロローグ
第1話
この日、シャルト王国一の名門校であるシャルト学園では、卒業パーティーが行われていた。
例年であれば、卒業生たちが音楽に合わせてダンスを始める時刻であるが、会場は静まり返っている。
ある者は好奇心いっぱいに、ある者は暗い顔をして、卒業生たちが遠巻きに見守るホールの中心には、この国の王族を象徴する銀色の髪の男が立っていた。
ジェラルド・シャルトリュー。この国の皇太子である。
ジェラルドが睨みつけるように見つめる視線の先には、一人の少女がポツンと佇んでいる。これから自分に起こることが分かっているのか、表情は暗かった。
「アメリア・ペンブローク。お前には失望した。お前との婚約は破棄する!」
ジェラルドの声が会場に響き渡る。それを聞いた少女は崩れ落ちるように座り込み、ガタガタと震え出した。
それでもパーティーに参加していた卒業生たちは、まるで舞台の観客であるかのように、2人を見つめるだけで少女を助けるものは誰一人いなかった。
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