第六話 隠し部屋
一方、こちらは理事長室に隣接する隠し部屋である。
麦彦は困惑していた。—―唐突に部屋が真っ暗になったのだ。
九つの液晶画面が壁にはある。そこには、キャミソールが隠されていることに困惑する一冴や、女子寮や学院の様々な風景が映っていたはずだった。
しかし、部屋のドアが開きかけたところで画面は暗くなってしまった。
暗闇の中、山吹へ声をかける。
「何じゃ――停電か?」
「そのようにございますね。」
そういえば雷が鳴っていたか――近くにも落ちたようだ。
これでは、一冴がどうなったのか分からない。
「ええい! 山吹! 早く予備電源に切り替えてこい!」
「はっ。」
一礼すると、山吹は部屋から出ていった。
しかし、麦彦は考え込む。あまりにもタイミングがよくはないか――せっかくのところで雷が落ちて来て停電になるなど。
麦彦の中には、今朝の夢に現れた先祖の姿があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます