第16話⁂消えた子供達!⁂

2019年新緑の眩いさつき晴れの5月*⋆**・若葉の緑が映え木々が芽吹いています。

そんな麗らかな日々の中、頻繁に田所家に出入りするメイの姿が目撃されているのです。

一体何の為に?



メイは15歳から養護施設〔ハッピ—ハウス〕の賢吾の下でアルバイトをさせられています。

施設の掃除や洗濯食事の準備などです。


賢伍の仕送りのおかげで生活は貧乏ながらも何とか暮らせています。

それでもこんなスラム街の我々にどんな未来が有ろうと言うのか?

一生乞食同然の生活を送るか?泥棒を繰り返すか?奴隷のような生活で一生終えるか?おおよそ検討は付きます。


そんな時に日本に人身御供のような形で貰われていった姉のジャスミンが里帰りした事が有ったのです。


話を聞くと「現在は私立の有名お嬢様学校高等部の2年生で名前は田所江梨菜と改名して、モデル活動も最近始めたばかりだ」と言うのです。


あの頃は{私たち家族の為にあんな見知らぬ国に可哀想に!}と小さいながらに感じていたのですが、とんでもない話です。

なんとジャスミンはフィリピンの上流階級の子供達と寸分変わらない!イヤそれを遥かに超えた手の届かない存在に………!


メイは光り輝く姉を見て{幸せになってくれて本当に良かったと思う反面、私の方が勉強でも何でも姉よりも出来たのにこの違いは何?違い過ぎでしょう}


喜び半分、余りの違いに惨めで!惨めで!{こんな私だって幸せになる権利はある。ジャスミンだけがこんなスラムから抜け出し、とんでもない世界に上り詰めるなんてズルい!許せない!私だって理事長に取り入ってこのスラムから抜け出したい!その為だったらなんだってする!}


全く何も知らないから好き勝手なことを!家族を支えるために人知れず必死に耐えている江梨菜の胸中も知らずに?女の嫉妬は怖い!


そんな時に色々お世話になっている〔ハッピ—ハウス〕の理事長賢伍から子供達の自立支援施設の管理を任されたのです。


なんと16歳のメイにそんな事が出来るでしょうか?

まあ施設長が居ますから只の学校のクラス委員長のようなものです。


この施設は賢伍が新たに新設した自立支援センタ―です。

以前は養護施設〔ハッピ—ハウス〕に自立支援室が有ったのですが、新たに新設したのです。

そこには14歳から上の子供達が自立する為に本格的に美容師や調理師になる為のカリキュラムが組まれています。


その中には賢伍のお手付きとなった子供達もいます。

賢伍はお気に入りの女の子の誕生日に秘密裏に自宅に招待します。


例えばその女の子の一番欲しいゲ-ム機等「今一番欲しい物を誕生日プレゼントにあげるから、御馳走も山ほど作ってあるからね、皆がうらやましがるから絶対に言っちゃダメだよ!」


そしてマニラの豪邸に呼び寄せお気に入りの子供達に性的虐待を繰り返していたのです。

又「この事をバラしたら又路上生活に戻らなくてはいけないよ!」そして子供には十分すぎるお金を握らせてくれるのです。

貧乏生活で嫌と言う程苦しんで来た子供達は路上生活に絶対戻りたくないのと多額の小遣いに目がくらみ口外する子は誰一人としていなかったのです。


それでももう初潮を迎えた女の子達にはまったく興味がありません。



そこで賢伍のお手付きとなった子供達の救済活動を目的として作られたと言っても過言ではないこの自立支援センター。


そこの管理を任されたメイはこの自立支援センターに入って来たばかりのマエに付きっ切りで色々教えています。


メイは何故かこの子と馬が合うと言いますか?自然と居心地の良さから一緒に行動する事が多くなったのです。

ある日シャワを浴びて一緒に着替えていると身体に赤い小さなアザが数か所?「このアザどうしたの?」


「………」


「………どうしたの~?」


「………」


「誰にも言わないから?」


「いっい言えないワァ~~~~ン😭」


「なっ何よ~?私はこの施設を任されているからな~んにも怖くないから行ってごらん!」


そこでマエは等々性虐待の一部始終を話してしまったのです。


理事長賢吾の裏の顔を知る事となったメイはとんでもない強行に出るのです。

この事が突破口となり???





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