機械に転生したらしい

夏色 樹

第1話 機械に転生したらしい

 ——ここはどこだ? 


 俺は気がつくと機械の残骸のような物の山に立っていた。


 周りを見回すと棒のように細い鉄の手足と両手はマジックハンドのようなC型になっており、顔にはディスプレイのような物に目のような光を灯したロボットが歩き回っていた。


 ——何だあれ? 


 そう思いながら、それらを見つめていると、急に頭の中に文字が浮かんで来た。


*******************

ガラクタ:Gランク……機械系

世界で唯一のGランクモンスター。最弱の存在。ただのガラクタ。古代魔道機械に魔力が宿り動き出したもの。機械系の魔物はこの魔物しか新しく生まれないため、現在はこの魔物以外は存在しない。故に機械系は最弱の魔物種とされている。

ステータス

HP:G MP:G 攻撃:G 防御:G 魔攻:G 魔防:G 敏捷:G

*******************


 何だこれ? ていうか酷い名前だな。ん? 


 …………。


 は、はは。落ち着け落ち着け。気のせいだ。さっきから気温を感じないとか、指の感覚がないとか気のせいに決まってる。

 さあ、自分の体を見下ろしてその目で気のせいだと確かめよう。

 そして、視線を下ろした先にはどう見ても周りのガラクタという名前らしい魔物と同じ体があった。


 な、な、なんじゃこりゃああぁぁぁぁ! 


 と両手を頭に当てて叫んだはずだが声が出なかった。

 そりゃそうでしょうね! さっき周り見たときに見たガラクタの顔に口無かったもんね! って言っとる場合かマジでなんだこれ! 

 そう思っていると再び頭の中に文字が浮かんで来た。


*******************

名前:

種族名:ガラクタ

状態:通常

性別:不明

LV:1/2

HP:1/1

MP:1/1

攻撃:1

防御:1

魔攻:1

魔防:1

敏捷:1

ランク:G


特性スキル:

『鉄の体:LV1』


耐性スキル:

『毒無効:LVー』『麻痺無効:LVー』『睡眠無効:LVー』『病魔無効:LVー』『飢餓無効:LVー』『口渇無効:LVー』『失血無効:LVー』『窒息無効:LVー』『痛覚無効:LVー』


通常スキル:

『神鑑定:LVー』


称号:

『最弱』『魔なる神の加護』


*******************


 何これゲーム? つか無効多いな。まあ、機械だから毒とか効かないんだろうけど。後称号酷い。ステータスを見ればしょうがないかもしれないが。オール1って。


 周りを見回して、他のガラクタのステータスを見てみると、


*******************

名前:

種族名:ガラクタ

状態:通常

性別:不明

LV:1/2

HP:1/1

MP:1/1

攻撃:1

防御:1

魔攻:1

魔防:1

敏捷:1

ランク:G


特性スキル:

『鉄の体:LV1』


耐性スキル:

『毒無効:LVー』『麻痺無効:LVー』『睡眠無効:LVー』『病魔無効:LVー』『飢餓無効:LVー』『口渇無効:LVー』『失血無効:LVー』『窒息無効:LVー』


称号:

『最弱』


*******************


 とこの通り、『神鑑定』と『魔なる神の加護』以外一緒だった。


 さて、これはまさか噂の異世界転生って奴か? 

 確かにスライムだったり、ドラゴンの卵だったり、と色々してるけどさあ⁉︎


 人どころか生物ですらないってどゆこと?

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