第34話 隠し砦の三少女 その10

 恥じらいで頭が沸騰しそうである。

 女は男がいないと野生化する。男子という、見栄を張れる相手のいない女子高で純粋培養の野生の少女となりつつも、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。


 今、何をお願いしたか。

 わたしは、親友に、性的な処理を願ったのだった。


 でも、彼女ならば。


 美琴は後ろから抱きつくわたしへとするりと体の向きを変え、一拍置いて、キスをしてきた。舌も口内に挿入されてくる。わたしも美琴の口内に舌を差し入れた。


 わたしは目を瞑る。びちゃびちゃと濃厚に互いの唾液を吸い、味わった。

 官能が、下腹部が我慢できぬと打ち震える。


 しかし美琴はすぐさまわたしのオンナノコに手をつけず、いったんキスをやめて首筋を舐めだした。言葉にできない嘆息が自然と漏れた。早く、イジってよぉ。


 我慢できず、わたしは美琴の下腹に手を伸ばした。すると彼女は待っていたようにスカートを外し、ショーツを降ろして迎え入れるのだった。

 彼女のそこはすでに粘液でヌルヌルになっていた。わたしは手探りで恥丘をゆっくりと撫でた。美琴は湿っぽく息を漏らした。


 併せてわたしは、もう片方の手で自分のスカートとショーツを取っ払った。


 まるで、申し合わせたように、わたしたちはヒノキの倒木を腰にしゃがんだ。美琴は、ついに、触れてほしいそこに手をやった。


 ビクンッと体が跳ねた。強烈な刺激だった。

 わたしは子猫ようにすすり泣いた。思わず美琴にしがみつく。


 求めあって深いキスを再度交わす。手は互いのオンナノコに触れている。もはや粘液はくちゅくちゅと音を立てて、指くらいなら簡単に受け入れられるほどだった。


 たぶん数分間しか経っていないと思われる。

 しかし、軽く数時間は深くむつみあった気持ちだった。


 わたしたちは、あっさりと絶頂に到達してしまった。


 自分はすでに血の滾りを我慢していたが故に。美琴は、既にその行動からも察せるだろう、彼女はわたしを性的に好いているのだった。


 加えてイヌガミを使役した副作用で多少の気持ちの滾りと、初めての、しかもわたしから身体を求められるという、誘い受け願望も持ち得る彼女にとってはまったくの僥倖によって、あっという間に気持ちが昇りつめてしまったらしかった。


 わたしたちは下半身を露出したまま、だらしなく悦楽の余韻に浸る。粘液まみれを構わずに手を恋人繋ぎにし、倒木を腰に互いに身体を寄せ合う。


 どちらかともなく、吐息が漏れた。深い満足感の籠った、甘い嘆息だった。





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