18.照れることはありませんよ
メジェール朝ペルジャハル帝国を再統一したラークジャート新皇帝は、まず、すべての
その
ニジュカ=シンガも本人の強い希望で
ペルジャハル帝国の、特に
だが、今となっては大義名分のない戦車大隊の
背後に
責任者であるヘスティング=ゴードウィン
「セラフィアナ嬢は、お父様の意志を理解し、と言っていましたね。ゴードウィン
「事実としてペルジャハル帝国は、保護国という形であっても、皇帝の下に存続していた。貿易商会の背景と
「でも、植民地経営としては高圧的で、
「ジゼル様、その……私が言うのも
「すべて
港町カールハプルを離れ、シュトレムキントの
ジゼル、ユッティ、マリリの足元で、リントが、にゃあ、と、メルルが、にゃ、と鳴いた。
ペルジャハルを
「あれ? ところで、クロっちは?」
「せまい船の長旅は
ジゼルの鼻息に、ユッティとマリリが、顔を見合わせて苦笑する。
「それにしても、
「いいじゃないの。世の中、なんでもかんでも仲良しこよしが最高ってわけじゃないわよ、マリリちゃん」
「先生の言われる通りです。自主独立の国体を増やす、という戦略目標は達成しましたし、エトヴァルト殿下も一安心なされるでしょう」
「あー、忘れてた。今回の報告、書きにくいなあ。ぶっちゃけ、どこまでぼやかして良いかしら?」
「え……?」
「ニジュカ様との一夜は、あえて書く必要もありません。状況の
「あの……?」
「大体あんた、どこまで見てたのよ? ジゼルにほいほい説明してないでしょうね?」
「ユッティがヴィルシャを視認している範囲で、おおむね
「……まっ、まさか……っ?」
「マリリも同様に、ヴィルシャを視認できていた時点までと考えて問題ない。メルルも一緒に退散した」
言葉が終わるより先に、マリリの顔が、
「ちっ、ちが……違いますっ! 違うんですっ、その……ジゼル様……っ!」
「照れることはありませんよ、マリリ。大人になってしまったのですね……少し
「違いますっ! ジ、ジゼル様……違うんです……ちが……っ!」
晴れた波間に
〜 第四章 ペルジャハル灼熱編 完 〜
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