スカベンジャー #深夜の二時間作詩 「獣」

 私は知っているのです、神はただ、培われる場所を見誤り、今ここに現わされ おいでになられただけだと。

 この場所はみちにまようて創めて現れる格子の間。

 若草の溢れる銀の輝きから逃げるように追い立てられ、芳しいほど突き抜ける放浪と辿る。決して汚されることもなく、ただ翡翠の瞳で抱擁し、芥子のような儚さで揺れる心ものぼせまします。

 彼方は高みの見物と在りましょうか。

 時折細める眦が珠に浸るときがあるのを知っていますか。

 朱に挿したくちもとから時折ちろちろと舐めるような二枚舌、なのでしょうか。

 蟒蛇のように褥に絡まり蛟のように視界をぬめす。わたしもあなたもおとこもおんなもすべて時に抗えず、手の内にほのおとして宿る。


 現れたら終いまで喰い尽くされ生き残る術はない。

 ただ饐えた徒花を供えその日が来るのを待ち、望むがまま、

 欲の渦に生きる我ら獣たちのちっぽけな、楽園追葬。


 あなたはただ従順で穏便で、腹の底に潜む。

 決して表には見せぬよう檻の中でひっそりと飼われております。

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