益虫を屠る #深夜の二時間作詩「そして、花火が消えた」 で終わる作品

箪笥の奥から顔を出した幼児期が

  微熱を抱いて寝転んだときに

    後悔を隠した庇を想った


狂おしいほどの花の香に咽び泣く 

ハーバリウムの棺を游いでいった


 (それでいいね、って)


 貧弱なみらいを

 いつかに預けて

         行燈は消え

       朧に残る紙魚が

          わらわら。

 星々と繁殖していくのを

         ただ ただ。


 くさまくらの 影から覗いていた

    ざわめきも 消える瞬間と

どこへゆくのか わからないままに


こめかみを撃ち抜いた 衝撃

      錆びた速度を計算して


 きみをほどいたときように

  届かない言の葉を熨せ

  「そして、花火が消えた」



午前0:19 · 2021年8月1日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る