#深夜の二時間作詩 『あの夏の日』

こわれものでもなかった

なつかしいひびでもなかった

唯水底に漂う叩きつける雫の聲にぬかづく


夏 雲 奇 峰


熒惑星けいこくせいを薄群青の 

きみのひとみで僕も殺して

生成りの砂地にかえす、

そっと未来をここに降ろし

眩むほどの向日葵を

こいあい濃藍の夜空とらくにのぼり

木漏れ日も焦れる素肌も

摺り寄せればどのみち下垂する

ありふれた情念の深緋がだらり

薄墨の輝きを匂わせて

朝顔と祀りのうたは

勝色の平行線をただしゃかりきに臨み

永遠を凪ぐ空蝉と風鈴 

昊の軌跡 鸚緑の羽根と想い

夕立に覗く期待と不安を何方も。

今生の彩、にぶいろの霹靂とする


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