鏡烙 #深夜の二時間作詩 「トンネル」


輪廻の橋を降りて

畳まれた躰を咲き伸ばして


暗闇に浮かび上がるプラネタリウムに

二度と戻れない万華鏡を移し出すから


魔法を授けましょう

くらいくらい 壕の中で

おどれおどれ 瞳の奥で


擦って穿いた胚の数だけ

おもしろいうたが見えるわ


うつくしいうつくしいひとで

海岸に打ち捨てられた硝子の管を浸けて

焼き捨てた蛍の数ほど流した泪に魅せるの


焦りや苛立ちを泥沼におとして

おいでなさい、さあ

あしをふみいれたら もう


わたしあなたきみはだれの

こだまする迷路の夢を消しかけ

気配のままかいなで奔る


望いたら駄目よ

このままこのまま奥まで

いって しまいましょう


其処に尽きたふたりが痴るえいえんは

深淵に打ち上げるプラネタリウムに

二度と出会えないほしくずを画きたいなら

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