異世界と金剛(アダマンタイト)の鉄仮面

ユキモン

???

プロローグ

 とある森の奥、そこにはとても綺麗な湖が存在する。そして、その近くに家を建て住んでいる、1つの家族がいた。




「おーい、マリン!何処へ行ったー?」

「パパー!マリンはここだよー!」

「そんなところにいたのか……この辺りは安全だが、あんまり1人で出歩かないようにな」

「ごめんなさいパパ…でもね、見て見て!こんなにもいっぱい果物が取れたよ!」

「すごいぞマリン。今日はご馳走だな」

「えへへ~」


 片目が前髪で隠れている黒髪の父親らしき男が、娘と思しき4、5歳程の黒髪の女の子の頭をで撫でていると、銀髪で耳の尖っている女性がやって来る。


「ユキ、マリン、その沢山の果物はどうしたの?もしかしてマリンが採ってきたの?」

「あぁ、全部マリンが採ってきたようだ」

「えっへん!」

「そうなのね。ありがとうマリン」

「どういたしまして、ママ」


「さて、今日はやる事がないからどうするか…」

「パパ、私ねパパとママの冒険のお話を聞きたい!」

「それは構わないが、何回も話してるけど飽きないか?」

「全然飽きないよ!だってパパとママの物語だもん!」

「そうか……それじゃ、時間もたくさんあることだし初めから話そうか」

「うん!あっ、その前に…」

「どうしたのマリン?」

「ここだとゆっくりお話を聞けないからパパとママの部屋で聞かせて!」

「あぁ、いいよ。お前も付き合ってくれるかシエス?」

「もちろん。ただしユキの隣でね」

「分かった」




 マリンが採ってきた果物を貯蔵庫に置いた後、目的の部屋に着く。


「パパはココで、ママはココ。マリンはパパの膝の上!」


 マリンは両親を大きいソファの真ん中に隣同士で座らせた後、父親の膝の上に座った。


「相変わらずパパの膝の上がお気に入りなのねマリンは」

「だってパパに包まれてる感じがするんだもん!」

「そうなのか?」

「うん!」

「たしかに、わたしもそう感じる」

「お前もそう思うのか。さてと…話していくぞ」

「うん!」

「今から8年前のあの日、パパが元居た世界で、林間学校っていう旅行みたいなのに30人程の人間と共に出発した。けれど、移動中に事故に遭ってしまう。その時アイツによってこの世界に連れてこられたのが物語の始まりだ」


 ユキと呼ばれた男はそう言って、自分と妻の冒険の物語を語り始めた……………


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