第2話 二階級特進
第2話 二階級特進
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……悲報、ホームレスになりました。
ヒキニートからランクアップ? して、今日からホームレスとして生きていくことになりました。
どうぞよろしくお願いします。
ど~ゔじでだよ~~!!
いや、ほんとにどうしてよ?
そもそも、あのゴスロリ服は俺のアバターのものであって、昨日ゲームのサービス終了と同時に消滅したはず。
というか、ゲームと現実がごっちゃにでもならない限り、俺があの服を着るなんて事態は起こりえないわけで……
ゲームと現実がごっちゃに……
ま、まさか。
そんなこと起きるわけ……
「す、ステータスオープン」
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名前:リンア
レベル:999
職業:魔法少女
HP:99999
MP:99999
物理攻撃力:9999
物理防御力:9999
魔法攻撃力:9999
魔法防御力:9999
スキル
魔法少女:レベル10
魔法少女【極】:レベル10
魔神:レベル10
剣神:レベル10
完全耐性:レベル10
……以降を表示
装備
E魔法少女ブラック装備セット
E結婚リング
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……ま、マジか。
見慣れたステータスウィンドウが、視界の中央に堂々と陣取っている。
一体どういうことだってばよ。
何がどうしてどうなるなら、こんなことになるんだ?
見当もつかない。
いったん落ち着こう。
冷静になって原因を探るんだ。
何事も、焦ってうまくいくことなんてない。
……いや、落ち着けるかっつーの。
誰がこんな状況で冷静になれるんだよ。
というかこれまでの行動って……いろいろありすぎて、細かいこと覚えてないわ。
俺の青春ともいうべきゲームの終わりを寝過ごして、女装を妹に見られて、家を追い出されてホームレスになった。←今ここ。
さて、原因……
ん?
寝落ち?
あ、もしかしてこれ夢とかそういう。
いや、そんな夢のない結論嫌なんですけど。
というか妹に女装みられて家からたたき出される夢とか、どんな精神状態だったらそんな夢見るんだよ。
これが夢ってことはないと思うんだよね、何となくだけど。
まぁ、夢かどうか確かめる方法なんてないし、今はいったんこの可能性は放置しておこう。
せっかく楽しそうな世界になったのに、そんなツマラナイ結論はいやだとかそんなことは思ってない。
ほんとだよ?
さて、世界がファンタジーになったんだ。
思考もファンタジーに行こう。
あのゲームにはなんか特別な力があって、サービス終了とともに世界が確変した。
これ、どうよ。
……周りを見渡す限り、魔物の姿もないどころかいつも通りの日常がつつがなく流れている。
とても世界が変わったようには見えない。
いや、みんなが気が付いてないだけで世界は確実に確変してるのだ!
……それってただの妄想では?
ちょっと待て、妄想。
妄想か。
ゲームのサービス終了に発狂したオタクは、その事実を受け入れられずアバターと似たような服を買いステータスの幻覚を見る。
あ、ありえそう。
ってか、周りから見た俺が完全にこれである以上、客観的に見てこれが正しい一つの真実という奴なのでは?
い、いやだ。
そんなの嫌だ。
……あれ?
俺、なんでこんな注目されてるんだ?
朝っぱらから色白インドア派の青年が公園にいるのは、確かに珍しいかもしれないが、そんな注目するようなものではないだろ。
もしかして、俺がファンタジー化の中心点で、俺に近づくことで何か起こるとか?
「ねぇ、、まま。あそこのお兄ちゃん」
「し、見ちゃいけません」
……どうも、そんな感じじゃなさそうだ。
そういえば俺、なんで家追い出されたんだっけ?
いや、別に関係ないんだ。
ただ、何となく思い出しただけで。
視界の中央に居座るステータスウィンドウ、装備の欄になんか文字列が並んでいる。
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装備
E魔法少女ブラック装備セット
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……あれ?
俺急に頭悪くなっちゃって、漢字読めなくなっちゃった。
学校まともに言ってなかったからね、しょうがないね。
とんとん
肩がたたかれ、振り返ると……
水色と紺色のコントラストの美しい服を着た、笑顔のおじさんが。
「君、ちょっといいかな」
ファンタジーと化した世界で、ヒキニートからランクアップしてホームレスになったと思ったら、二階級特進で変質者になっていた件。
「あー、……今ちょっと忙しいかなって」
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ーー次話予告ーー
『第3話 掲示板の様子』
明日更新
少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。
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