ゲームのステータスが現実に反映！？【ファンタジーと化したリアルで強くてニューゲーム】

第1話 リアルはファンタジーと化しました

　※お知らせ　大規模にリメイクしました

　第1話　リアルはファンタジーと化しました

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【レベルアップしました】

　ついに、か。

　長かった。

　実に、長かった。

「ステータスオープン」

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　名前：リンア

　レベル：999

　職業：魔法少女

　HP：99999

　MP：99999

　物理攻撃力：9999

　物理防御力：9999

　魔法攻撃力：9999

　魔法防御力：9999

　スキル

　魔法少女：レベル10

　魔法少女【極】：レベル10

　魔神：レベル10

　剣神：レベル10

　完全耐性：レベル10

　……以降を表示

　装備

　E魔法少女ブラック装備セット

　E結婚リング

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　サービス終了日、ついにレベル999。

　Maxレベルに到達した。

　は？

　最終日にようやくとか、おっそ。

　お前、エンジョイ勢か？

　早とちり廃人ニキ達、ちょっと待ってほしい。

　これにはれっきとした理由があるのだ。

　そもそも、このゲームのレベルキャップは少し前まで255だったんだ。

　それが、少し前にあったゲームのサービス終了のお知らせとともに、突如として999まで開放されたのだ。

　だから、こんなぎりぎりまでかかってしまったというわけだ。

　決して、エンジョイ勢でもにわかでもない。

　ずっとやり続けてきたゲームだ。

　うすうす感づいてはいたけど、サービス終了はほんとに悲しかったよ。

　それと同時に、このサプライズに最後の最後まで運営のらしさを感じて、少し笑った。

　運営が、せっかくレベルキャップを999まで解放してくれたんだ。

　レベルを上げ切らなきゃ、廃人として失格。

　運営にも失礼極まりないというものだ。

　……サービス終了の決まったゲームで、この苦行ともいえるレベル上げを完遂するなんて、今思い返してみてもちょっと狂ったことをした気がする。

　もしかして、このゲームでレベルカンストしてる奴俺だけなのでは？

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　1人、山の上からこの世界を見下ろす。

　飽きるほど見続けたこの世界とも今日でお別れだ。

　このゲームは俺の青春そのものと言ってもいい。

　フルダイブ型VRゲームの先駆け、妄想の産物でしかなかったそれがついに現実になったとこのゲームは爆発的に広まり、技術の進歩とともにゆっくりと廃れていった。

　今は寂れてしまったが、にぎやかだったあの頃の思い出は今でも……

　まぁ、当時はずっとソロプレイヤーだったから、過疎ったところで特に何か変わったかと言われても、ライバルが減って狩場が独占出来てラッキー程度でしかなかったのだが。

　当時はオーバーテクノロジーなんて言われたが、今ではただの骨とう品だ。

　……最後までソロでプレイすることになる、そう思っていたんだがな。

　指にはめた結婚指輪を見る。

　まぁ、あれをゲーム仲間と言っていいのかは謎だが。

　一応、このゲームの最後を一緒に過ごそうと声をかけてはみたが、返事どころか既読すらつかなかった。

　きっと最後の追い込みの真っ最中なのだろう。

「嫁を放置するとは何事か！？」

　そんなこと言ってみたいものだが、別にラブらマンス的なものでもなければ、ゲーム特有の友情？　的なものもない。

　ただ単に、結婚ボーナス目的の結婚。

　それ以上でも、それ以下でもない。

　レベルキャップが解放されたところで過疎が解消されるわけでもなく、高レベル用の狩場で一人狩をしていたわけだが、そこに1人の男がいたんだ。

　どう考えても、目的は俺と同じレベル上げ。

　俺は、このままレベル上げをしていても、最終日までにカンストできるか微妙だった。

　だから、声をかけたんだ。

「結婚しよう」

　これが、出会い。

　ま、黙々と操作して、それ以降一言も会話しなかったのだが。

　仮面夫婦もびっくりの冷めた関係だ。

　しかも、そんな相手以外ゲーム最終日に呼べそうな相手がいないという……

　仕方ない、どうせほとんど一人でプレイしてきたんだ。

　最後の瞬間も、一人で見届けるのがお似合いというものだろう。

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「……見慣れた天井だ」

　どうやら途中で寝落ちしたらしい。

　そのままサービス終了して、自動ログアウトされたんだろう。

　最後の最後まで、締まらないな。

　ガチャ

「お兄ちゃん。ご飯……」

　どうやら飯らしい。

　さて、飯食べて気分転換するか。

　……あれ？

　妹よ、俺をそんな目で見つめていったいどうした？

「き」

　き？

「キャーーーー！！！！」

　な、何事だ！！

　いきなり悲鳴を上げた妹に驚き、飛び起きた俺の目に驚きの光景が飛び込んできた。

　俺の部屋の隅に置いてある姿見。

　そこには、ゴスロリを着た男の姿が……

　そいつの顔は妙に見覚えがあって、そのゴスロリ服にも妙に見覚えがあって……

　でも、その組み合わせには強烈な違和感と拒否反応が起きて……

　その男は紛れもなく俺で、

　そのゴスロリ服は、アバターに装備させてた『魔法少女ブラック装備セット』そのものだ。

「ひぃーー！」

　妹の方に向き直ると、漏れるような悲鳴が聞こえた。

　……こ、これはですねぇ。

「これは、あくまで事故であって……あー、妹よ。お兄ちゃんのこと信用できるか？」

　ブンブン

　そんな音が聞こえんばかりに首を振る。

　ですよねぇ～。

「何騒いでるの？　ご飯できたんだから早く……あんた、何やってるの？」

　おっと、今度はママンの登場だ。

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【朗報、現実世界にダンジョン現る】

　１：名無しの429＠定住民の集い

【画像】

　２：名無しの429＠定住民の集い

　は？

　これマ？

　３：名無しの429＠定住民の集い

　つりだろｗｗ

　４：名無しの429＠定住民の集い

　今日似たようなのほかのＳＮＳでも見たぞ

　５：名無しの429＠定住民の集い

　＞＞３

　釣りとわかってても一応覗きに来るの草

　６：名無しの429＠定住民の集い

　このダンジョン、どこかで見覚えが……

　７：名無しの429＠定住民の集い

　＞＞６

　拾い画だからじゃね？

　８：名無しの429＠定住民の集い

　これ、昨日さ終したゲームのダンジョンまんまだな

　９：名無しの429＠定住民の集い

　＞＞８

　特定早すぎワロタ

　１０：名無しの429＠定住民の集い

　はい、解散

　１１：名無しの429＠定住民の集い

　悲報、釣り師魚に逃げられる

　１２：名無しの429＠定住民の集い

【画像】

【画像】

【動画】

　１３：名無しの429＠定住民の集い

　ふぁ？

　１４：名無しの429＠定住民の集い

　おいおい、これどんなプロだよ

　１５：名無しの429＠定住民の集い

　その技術別のことに生かせやｗｗ

　１６：名無しの429＠定住民の集い

　俺の家の近くにも似たようなものあるんだが……

【画像】

　１７：名無しの429＠定住民の集い

　ちょっと待て、なんか流れがおかしくないか？

　１８：名無しの429＠定住民の集い

　ほかのＳＮＳで話題になってた画像

【画像】

【画像】

【画像】

【画像】

　１９：名無しの429＠定住民の集い

　……どゆこと？

　２０：名無しの429＠定住民の集い

　おれ、もしかして夢見てる？

　２１：名無しの429＠定住民の集い

　釣りにしては規模デカすぎ

　でも現実にこれはありえなすぎる

　２２：名無しの429＠定住民の集い

　決定的映像

【画像】

　２３：名無しの429＠定住民の集い

　これ、ゴブリンか？

　２４：名無しの429＠定住民の集い

　……マジかよ

　２５：名無しの429＠定住民の集い

　これマ？

　２６：名無しの429＠定住民の集い

　リアルが完全にファンタジー化した件

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　ーー○○ネットニュースーー

　現実世界にダンジョンが！？

　ネット上で次のような画像が話題を呼んでいます。

【画像】

【画像】

【画像】

　一見写真のように見えますが、ゴブリンをはじめとした空想上の生物が移りこんでいます。

　これは一体何なのでしょう。

　ネット上の反応

　現実世界にダンジョンが出来た！？

　いや、これはただのコラだろ。

　元ネタの特定は完了済みだよJK。

　こんな精巧なフェイク画像、どんだけ手目かかると。

　ネット上でも、意見が分かれている様子です。

　この画像と極めて似ていると……

　……続きを読む

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　ーー次話予告ーー

『二階級特進』

　明日更新

　少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。