逆さま世界

 雨に濡れた地面に、逆さまになった景色が歪んで映り込む。すべて正反対になった世界が、向こうにも広がっているのかな。

 だとしたらとても奇妙だ。想像して笑いがこみ上げる。遠い空から雫が降ってくると信じて、頭上になにか掲げていたりして。

 僕はため息をついて傘を地面に差し、腕を天に伸ばした。

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