不自然

 どこかからか花火の音が聞こえてくる。こんな山奥では音のみで、明るく染まる空はまったく見えない。

 それでもわずかな期待を胸に、遠い空を見上げる。視界に映るのはまばゆい星々ばかり。

 人間はぜいたくだ。あの光は都会では、もうほとんど拝めない。不自然な光をうらやむわたしは、最高に不自然だ。

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