WHEEL OF FORTUNE~苟且の境界線~

@D101-Deep

プロローグ

 200年前、戦争があった。人類はそれまで亜人種であるエルフ族によって統率され、管理されていた。そんな中、人間の自由を訴えて反乱を起こした人物がいた。


 後の世に英雄とも、大罪人とも呼ばれるその人物は、人々を導き戦いへと誘っていく。


 それまでなかった魔術を主軸とする戦術と、数で勝る人類はエルフを次第に追い詰めていく。だがそんな戦況も優れた能力を持ったエルフ族にすぐ覆されることになる。


 そこで人類は、エルフ族を超える存在を造り出す事で埋めようのない力量差を埋める。


 一時として人類はその存在を持ってエルフ族を超える力を得る。だが、それは人が抑える事など出来ない程に強力だった。


 反乱を起こした人類は、自らが造り出した者達により反乱を起こされてしまう。皮肉な事に人々は自分たちが置かれていた状況を造り出す事によって大戦で敗北する事になる。


 状況を重く見たエルフ族は人類と強力する事によってその反乱を抑え込む。


 そうして反乱が終結した頃、エルフ族は人類を自分たちの隣人足るに相応しい力を持つと認め、対等な立場で接する事を誓う。


 そこから200年、人々は先の大戦の傷を癒すように一切の争いが起こさなかった。


 だがそれはまるで静寂の森に火を放つかの様に起こった。


 南の大陸に突如、空から飛来した隕石が墜落したのである。


 歴史的大惨事はここから始まる。


 飛来したのは隕石だけではなく、それには未確認生物が付着していた。


 後にクトゥルフと呼ばれるその生物は、森や家を薙払い、生物を汚染させ、南の大地に死を降り注いだ。


 瞬く間にクトゥルフは南の大陸を掌握し、十数億の人口を誇った南の大陸はたったの一年で人の住めぬ魔境へと変わり果てた。


 更にクトゥルフは北の大陸にまで汚染を広げようとする。


 が、それは北の諸国による連合軍によって食い止められる。



 一時的な停戦状態になるも世界は混乱状態に陥り、恐怖に支配された。


 諸国はまるで世界に終焉をもたらすかの様に現れたクトゥルフに対抗すべく、対クトゥルフ魔法機関“ドール”を設立するが……

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