匣
とうとう怪異を閉じ込める匣を手に入れた。
それを少年期、長期休暇の際に滞在していた別荘の更に山奥に棲んでいた山女に渡す。一族からすれば小さい方らしい。好きな物を入れてくれと言えば素直に受け取ってくれた。純朴な性格は大層気に入っているが、それだからこんな底意地の悪い人間に捕まるのだ。コンコンと匣の中から緊張感のないノックが聞こえる。暇潰しになる物を入れてなくてごめんな、新しい家に着くまでもう少し辛抱してくれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます