第29話 イライラするな
<テツ>
俺は、ケン君やリカさんと分かれて自分のホテルに戻ってきていた。
ケン君たちには、取りあえずは普通に過ごすようにと伝える。
どうやって新型コロナウイルスを拡散して利用している連中との接点を持つかを考えようということで合意していた。
ただ、ケン君たちは高校生だ。
無理だろう。
俺にしてもそんな全く関係ない世界の人たちとの接点なんてない。
少し考えていたが、答えなど出るはずもない。
考えてわからないことは、当分は放置だ。
勝手に頭が考えてくれる。
思考の〇理学なんて本があったななどと思いつつ、頭の隅に追いやった。
俺は身体を魔法できれいにして就寝。
・・・
・・
朝5時。
ホテルで朝食を食べて出社。
時間は9時。
会社に到着してみると、昨日ほどは人はいない。
まぁ、ぼちぼち人が出社してくれるだろう。
課長は出勤しているが。
「課長、おはようございます。 昨日は申し訳ありませんでした」
「おはよう佐藤君。 いいのよ、残念だったわね。 それよりも身体の調子はどう?」
「はい、もう大丈夫です」
「そう、なら良かったわ。 また今度みんなで行こうね」
はそう言うと出社している人にそれぞれ挨拶をしていく。
俺も自分の机に行き、書類を整理して作業に入る。
時間は11時30分頃。
俺の仕事は一段落し、早めのお昼タイムになる。
他の人たちはまだ終わっていないので、俺だけ先にランチに行かせてもらう。
「では、先に休憩に入りますね」
俺はそう言葉を残して、課長たちが行ったであろうお店に向かう。
昨日、食べられなかったものを食べようと思っていた。
会社を出て、少し歩いているとどうやら尾行されているらしい。
俺は目的を変えて、ファーストフード店に入って行く。
ワンコインランチをテイクアウト。
それを持って公園に向かって行く。
・・・
やはりついて来ているようだ。
俺は集中して、超加速で移動。
尾行者の所まで来た。
ん?
こいつだよな?
見たことないが・・誰だ?
俺は尾行している男の内ポケットなどを探り、何か身元情報がないか調べてみる。
・・・
手帳を発見。
それに身分証明書のようなカードも発見。
!
内閣情報調査室付?
警察官じゃないのか・・だが、間違いなく俺をつけていたよな。
どういうことだ?
それに手帳には確かに俺の行動時間が記されている。
今日のお昼の時間から記帳されている。
俺は妙な感覚を覚える。
不安な感覚だ。
なんで国家機関が俺を尾行するんだ?
・・・
わからない。
直接こいつに情報を聞き出した方がいいのか?
いや、ダメだろう。
こんな連中は、死んでも本当のことを話すはずがない。
う~ん・・わからん。
だが、今のところ接触して来ようとしていないし、静かにしておくか。
俺はそう思うと、元の場所に戻って集中力を解く。
俺は公園のベンチに座り、お昼を食べる。
お昼を食べて仕事に戻り、仕事を終えてホテルまで帰宅。
時間は18時過ぎ。
俺はホテルの部屋に入りベッドに腰かけてみた。
・・・
やはりまだ尾行者は外で居る。
それに、案外この部屋にも盗聴か何かを仕掛けられているかもしれない。
困ったなぁ。
こんなのが毎日続いたら疲れるぞ。
気づかなければどうということはないだろう。
しかし、完全にわかっているからな。
俺の神経は3日持たないかもしれない。
いろいろと考えてみたが、解決するはずもない。
「ふぅ・・取りあえず、夜ご飯だな」
俺はホテルの1階に行き、夕食を済ませる。
部屋に戻りシャワーを浴びてベッドのところへ来た。
俺の頭の中には尾行者と、もしかしたら部屋に盗聴装置などが仕掛けられていないかなどが気になった。
一度気になりだすとその考えが膨らんでくる。
・・・
「クソッ!」
俺は軽く言葉を出して目を閉じる。
少し考えて目を開いた。
「よし!」
俺は魔法で自分を中心に円を広げていって微弱な電気を発しているものを感じようとした。
・・・
ダメだ。
wifi環境にあるから、この建物すべてが帯電している感じだ。
電波を感じるにしても同じだ。
いっそのことすべてを破壊できるレベルまで俺が
いや、ダメだろう。
いろんな家電がダメになる。
魔法も万能じゃないな。
俺はそんなことを思いながら、少しずつイライラが溜まってくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます