布団ってぶかぶかしているね!

隅田 天美

お布団がやって来た!!

 時代劇などで寝ることを『床に入る』と言うことがある。

 私は時代劇小説の専門家ではないので(好きではあるけど)確証はないけど、江戸時代は煎餅布団で硬かったのだろう。


 数年前。

 ある冬の日。

 私の踵はアカギレを起こし角質化した踵の皮が布団に引っかかり布を破った。

 中から綿が出て、それでも何とかやりくして、でも、綿は出続け、ついに私は敷布団を排除。

 それから、私は文字通り寝ることは床に入ることになった。

 畳だったが最初は慣れなかった。

 だが、畳は思いのほか柔らかった。

 そのうち慣れた。


 それが去年。

「天美の布団の中身を打ち直してあげるよ」

 と母が言った。

 前に母が

「お前もそろそろ年齢としだし、お布団ではなくベットにしなさいな」

 という提案から(なお、その時に私の返答「だったら、パラマウ〇トベット【某大手介護ベット】がいい」と言ったら即却下された)私の布団事情を話した。

 そして、先の話なる。


 私は諸用事があり母と入れ違いに出て行った。

 帰ってきたら、布団が整えられていた。

 踏んでみる。

 ぼふっ!

「やわらけぇ!!」

 母に即連絡をした。

『そりゃあ、特A級の綿だもの。奮発したわよお』

「あざっす!!」(体育会系の言葉を使う文科系人間)

 高級旅館でもない限り出会わないふかふかの布団。

 

 この感動を誰かに伝えたくってこれを書いた。

 

 悔いはない。

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