カブトムシを捕まえたと思ったらゴキブリだった件①

 小学生に人気な昆虫ランキング第一位のカブトムシ。小学生なら誰もがカブトムシのカッコよさに憧れるものだ。

 そして夏休みに入ろうかという小学生のサトルくんとタカシくんがカブトムシについて話し合っていた。



「カブトムシって知ってるか? カブトムシって黒くて光ってて、すっげぇーかっこいいんだぜ!」

「そうなんだ! カブトムシのこと良くわからないけど、僕、捕まえてみようかな。」

「おいおいおい、お前知らないのか!? カブトムシ捕まえるのは大変なんだぜ。そんな簡単に捕まえられるはずだねーよ。俺だって早起きして、公園の木を見に行ってやっと一匹捕まえたんだぜ!」

「いいよ、僕カブトムシ10匹捕まえてみせるよ!」

「無理無理無理! それにあと1週間もしないうちに夏休みになっちまうぜ! お前が捕まえても、俺がそのお前が捕まえたカブトムシを見る機会がなくなっちまうぞ。夏休みになる前に10匹も捕まえられるんか?」

「大丈夫!僕なら3日で捕まえられるから!」


サトルくんはカブトムシを捕まえるのに大きな自信があった。実はカブトムシが絶対に出る場所を知っていたのだ。



「じゃあもし、カブトムシ10匹捕まえられたら、カードゲームのレアカードやるよ。言っておくけどお前絶対に10匹無理だぞ!」

「本当にくれるの!?よし決まりだね!」



 そして次の日になった…

 サトルくんは1日でカブトムシ10匹を捕まえたので虫かごに入れて学校に持っていった。


「ねぇタカシくん!見てみて!カブトムシいっぱい捕まえたよ!」

「どれどれ。え、お前それって…」


 タカシくんは虫かごの中を見た。そこには、2本の触覚が生えた黒く光る虫が10匹虫かごに入っていた。


「どうしたの?カブトムシだよ!僕の家の台所にたくさんいた!」

「おいこれ全部ゴキブリじゃねぇか!」

「えーと、ゴキブリって何?」


 サトルくんは本物のカブトムシを知らずにゴキブリをカブトムシだと思ってたくさん捕まえていた。



「お前小学生になるまで生きてきたのに、ゴキブリを知らないのか…。それに小学生に人気の昆虫ランキング第一位のカブトムシの姿を知らないってどういうことよ…。姿を知ってたら間違えねぇぞ…」


 タカシくんは呆れていた。


「これがカブトムシだよ!だって黒くて光っててカッコいいじゃないか!」

「かっこよくねーよ! 一番重要な角が生えてねぇだろうが!」

「えー、これカブトムシだと思ったのに…」


 サトルくんは落ち込んだ。


「まったくしょうがねえなあ…。本物のカブトムシを見せてやるよ。こんなこともあろうかと家からカブトムシを持ってきた。これが本物のカブトムシだ!」


 そこには角があって黒くて光るカブトムシがいた。

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