カブトムシを捕まえたと思ったらゴキブリだった件②(終)
「わーいいなあ、欲しい!」
「だめだ!これは俺が苦労して捕まえたんだから。」
「そんなー……」
サトルくんは落ち込む。それに見かねたタカシくんは…。
「まったくしょうがないやつだなぁ。じゃあ明日早起きしてカブトムシ捕まえに行くぞ。」
タカシくんはカブトムシ採集のお誘いをしたのであった。
「本当に! うん行くよ!」
サトルくんは喜びながら誘いに乗った。
「くれぐれもゴキブリは捕まえるなよな。本物のカブトムシだからな!わかったか!」
「うん!」
次の朝、早起きして公園に行って2人はカブトムシを捕まえに行った。
「いいか、木を一個一個丁寧にチェックしろ。どこかにカブトムシが張り付いているはずだ。本当にちゃんと探すんだぞ」
「もう分かってるって」
「本当かよ」
こうしてカブトムシの捜索が始まった。タカシくんとサトルくんは分かれてカブトムシを探すことにした。
「なんだろうこれ?」
木に黒い虫がいた。
たしかにこの虫は黒い。でも角が生えていないぞ。
ということはこれはカブトムシじゃない…。ゴキブリだ…!
サトルくんは黙っていることにした。
「おーい、カブトムシ見つかったか? こっちはぜんぜんだ。」
タカシくんはクタクタになりながらサトルくんの方へ向かって行った。
「いや、見つかんなかったよ。ここにはゴキブリしかいなかった。あーあ、カブトムシ捕まえたかったな…」
サトルくんはしょんぼりしていた。
「どれどれっておい! これ、ゴキブリじゃないぞ! それカブトムシのメスだ!」
タカシくんはメスのカブトムシを指さしてビックリしていた。
「え、そうなの!?」
「そうだよ! お前でかしたぞ! やったじゃないか!」
タカシくんはサトルくんの肩を叩く。
「ははは!」
サトルくんはタカシくんに教えてもらい、無事にカブトムシのメスを捕まえることが出来た。
そしてそのあと学校に行った。学校でタカシくんはサトルくんにある話をすることにした。
「おい、サトル。カブトムシについて話したいことがある」
タカシくんは神妙な顔持ちをしていた。
「何?」
サトルくんはなぜか緊張した。
「俺の持っているオスのカブトムシ、お前に預けることにするよ」
「え、どうして!?あんなに角のあるカブトムシをカッコいいって言ってたのに!」
「まあ、こいつもメスのカブトムシと一緒にいた方がいいだろうと思ってな」
「そっか。分かったよ。僕がオスのカブトムシも育てるよ」
サトルくんは渋々承諾をした。そしてオスのカブトムシを受け取った。
カブトムシのオスをメスのいる虫かごに入れた。
オスとメスは相性が良いのか2人には仲が良いように見えた。
「夏休み明けたらタマゴを産んだかどうか報告してくれよ!絶対に約束だぞ!」
「うん約束するよ!」
そして程なくして夏休みに入った。2匹の夏休みはすくすくと成長した。
そして、夏休みの間にカブトムシは無事にタマゴを産んだのだった。
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