[ホラー小説]廃墟から幽霊を連れてきたかもしれない
俺は休日になると、車で地方の廃墟を巡って廃墟の中の探索をするのが趣味なんだ。多少気味の悪い廃墟でも俺には霊感なんてものは微塵もないので幽霊なんてへっちゃらだ!
そもそも幽霊なんている訳がない。幽霊を生まれてこの方見たことがない。幽霊が出るもんなら出ろよ。
俺にもそう思っていた時期があったな。
俺は今賃貸で1人暮らしをしているのだが、もしかしたら廃墟から良くないものを連れて帰ってきてしまったのかもしれないと思っている。
なぜそう思うかと言うと最近、家の中なのに以前は感じたことが無かった視線のようなものを感じるようになった。
俺は幽霊の存在を信じていなかったが、俺は幽霊がいるんじゃないかと信じ始めている。
最近夜中になると天井や壁からラップ音がなるんだよ。なかには「どうせ上の部屋の人や隣の人が暴れてるだけでしょ?」と思う人もいるかもしれない。でもな、このアパート上も両隣も空室なんだよな。だから上の部屋や両隣の部屋から音が鳴ることなんてのはあり得ないんだよ。というかラップ音が部屋の中から鳴っているような感じなんだよね。
この前の廃墟はたしかに霊感のない俺でも何か変だなと思った所が何ヵ所かあった。夏場なのに冬場のように寒い変な冷気を感じた。
ある日、俺は部屋を暗くしていつも通りベットで寝ていると、例のラップ音が聞こえてきた。
パチッ!パチッ!パチッ!
俺は恐怖で体が硬直してガタガタと震えていた。目には見えないんだけど、たしかに部屋の中に俺以外の誰かがいるような気配がした。
パチッ!パチッ!パチッ!…
そのラップ音は天井からゆっくりと窓の方へと移動していく…
俺は何となくこのあとの展開が分かってしまった。窓に移動すると多分幽霊が姿を現すと思った。そう思うと怖くなって必死に目を瞑って眠ろうとした。
しかし、俺は目を閉じようと思っても閉じることが出来なかった。それどころか俺の視線は勝手に窓の方へと移っていた。
パチッ!パチッ!パチッ!
ラップ音はゆっくりと窓の方へと移動していった。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
ヤバイヤバイヤバイ…!と思った時にはすでに遅かった。
月明かりに照らされた窓に何者かのシルエットが映し出された。そして、その夜に出てきたアイツの姿は目にしっかりと焼き付けられた。
窓に張り付いていたのは、全身真っ白で手と足がぐねっていておかっぱ頭だった。
すぐにこの世の者ではないと分かった。そしておかっぱに隠れた黒い目がググググッ!と現れて目がギョロギョロと変な方向に移動を繰り返していた。
だが俺はただ恐怖しながら見ているしか無かった。
最後に目が中央のところに戻ってきて、目と目があった瞬間にニターッと笑っていた。次の瞬間には顔の目の前まで飛んできたようなな感覚があり、いつの間にか俺は気絶していた。
そのあとも俺はその部屋に住んでいます。最近はさらにラップ音がひどくなってきました。除霊出来る方、いましたら俺の部屋の除霊をお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます