ケンカ別れしたバイトに出戻りしたら…
「どうもー!」
「お前、戻ってきたのか。よく戻って来れたな…」
自分は喧嘩別れして出ていったバイト先に戻ってきたのだった。
こんなバイトは嫌だと思って辞めたのだが、別のバイトもそこそこキツくてそこも辞めてしまった。
なので結局出戻りしてきたという訳なのだ。
「お前あんなことを言っておいて、よくケロッとした顔して平気で戻って来れたな…」
「別にいいだろうが!」
「お前の勝手な都合で辞めたせいで俺達は良い迷惑したんだぜ。お前の穴埋めはすべて俺達バイトで何とか埋めたんだぞ」
バイト仲間はみんななぜか冷たかった。
「まあ、とりあえず人手は足りてないからまたよろしくな」
「お、おう」
こうしてまた新しいバイト生活が始まったのだった。
「うーん、やっぱりこのバイトうんこだな。辞めてぇわ」
もうすでにまたバイトを辞めたくなっていたのであった。
確かにこの前新しく始めたバイトはめちゃくちゃキツくて、ここよりもキツいと思ったんだけど、隣の芝生は青いというのか、やっぱりここも普通にきつかった。
なんでこっちの方がマシだと思ってしまったのだろうか?
「どうしよう、もう1日目で辞めたくなっちゃった」
「おい、お前絶対にバイト辞めるんじゃねえぞ! お前が辞めた途端にその仕事は俺たちにシワ寄せが来るからさ!」
「そんなことは知ったこっちゃないよ!」
「じゃあ明日からバイトに来るな!」
「いや、一旦落ち着け。そもそもバイトに多くの仕事を押し付けるこの店が悪くないか?」
「いや、まあそうなんだけどさぁ…」
「人件費カットのためにギリギリの人数で仕事を捌こうとしているから俺達は大変なんだよ。そもそもそれが無理あるよな」
「そ、そうだな。たしかにお前の言うとおりだわ」
「だからクソなんだよ」
「そうだな、クソだ!」
この店がクソだということを改めて認識したのであった。
この店はめちゃくちゃケチだから人員は最小限の少数精鋭だ。
「そもそも最低賃金で俺様を雇っているというのが間違いなのだ! 俺はもっと価値のある人間なんだぞ!」
どんどんこのバイトに対して不満が溜まっていく。
「貴重な若い時間を削って働いてんのになんでこんなに時期が安い!? 変なんだよ、バイトの人数が少ないから仕事の作業量とバイトの時給が見合ってない!」
文句は言いつつも、大変な仕事をその日はやったのであった。
家に帰ってからバイトを辞めたい点が次々に出てくる。
まず、人間関係がもうすでに終わってしまっている。
一部の人間が得をするような感じになっていた。
要するに一部の人間は全く仕事をしていないってことなのだ。
「ふざけんじゃねー! 置き物のゴミ共のために俺は働いてんじゃねぇーぞ!」
仕事をせずにお金をもらうってどういうことなのだと言った感じだ。
それなのにいちばんランクの下であるバイトばっかりに何でも仕事を押し付ける。
次の日も一応はバイトへ行く。
「よーっす」
「うっす」
「ちょっといいか?」
「なんだ?」
「お前らは何でこんなクソみたいなバイト続けてんの?」
「おいおい、またいきなりだな」
「答えてくれ」
「まあ確かにこのバイトは嫌だけどな。俺もいつかは辞めてやろうって思ってるよ」
「おい、お前このままだとこのバイト辞められないぞ。まず、店側が絶対に辞めさせないからな」
「まじか」
「俺は経験者だからはっきり言う。ここを辞めるにはなぁ、もうバックレるぐらいしかないぞ」
「やっぱりそうだよなぁ。散々仕事させといて勤務時間とかめちゃくちゃ厳しいしなぁ。普通そこんトコロも給料出るだろってところで出ないもんなぁ。まじで頭がおかしいわ」
「だよな! バイトを1人の人間としてではなく仕事の駒としか思ってんないんだよ」
「なんかムカついてきた」
「じゃあさ、みんなでバックレようぜ!」
「オッケー、俺もバックレるわ。このクソバイトなんて辞めてやる!」
そして、次の日になった。そこには店長の姿がある。
「あれ? バイトが1人も来てない。なんで!?」
自分は次の日にもバイトがあったのだが当然バックレたのであった。
それも他の奴らも道連れにして集団バックレを決行した。
ところで、すぐに辞めるなら一体何のためにこのバイトに出戻りしたのだろうか?
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