[ホラー小説] 知らない訪問者
ピンポーン!
「誰だろうな宅配なんて頼んでないんだけどなぁ…」
自分はインターホンのカメラ越しに外を覗いてみた。
「ひぃ…!」
知らない女の人が立っていた。思わず声に出ていた。
何だこれ気持ち悪いなぁ。
すると、またピンポンピンポンと何度もインターホンを鳴らしてくる。
「嘘だろ…。本当に誰なんだ…。怖すぎるだろう…」
するとドアノブを思いっきりガチャガチャとやってきた。
「なんなんだよ、ふざけんなよ! 俺はあの女の人に何かをした覚えはないぞ!」
女の人は相変わらずインターホンをピンポンと押し続けている。そしてドアノブもガチャガチャガチャガチャと、どんどん激しさが増している。
「やばいやばいやばい…。どうしたらいいんだ!?」
すると、自分の意思がまるで通じたみたいに突然ドアノブをガチャガチャやるのが止まったのだった。
「なんとか、なったのかこれ?」
女の人が帰ったのかを確認するために自分は音を立てないように恐る恐る玄関の方へ行く。そしてドアの覗き穴から外を見てみた。すると、女の人が立っていた。
えー、嘘だろ…。
心臓がバクバクしていた。しかも驚いたことに女の人は一人だけじゃないのだ。少なく見積もって間違いなく10人以上は女の人が立っていた。
見た目はどんな感じかと聞かれれば、髪が長くて顔はよくわからない。みんなそんな感じなのだ。中には帽子をかぶっている人もちらほらいた。
貞子を想像してもらえば分かりやすいと思う。
うわー、こわー。
とりあえず、自分はゆっくりとリビングの方へ戻ろうとした。すると、ガタッ!っと音を立ててしまった。
「うわっやべ…!」
すると、外の女の人達はその音に気付いて家の中に自分がいることを確信したらしい。ピンポンピンポンピンポン! ガチャガチャガチャ! トントントントン!と大勢で叩いたり押したりしてきた。
「クソ! なんで俺はこんな目にあうんだよ!」
ここであることに気付く。あんなに人がいたら他の家の住人が気づくはずだろう。 他の住人達は一体どうしているんだろうか?
自分はリビングの方へ戻っていった。すると、窓の外に人影があった。
「え…?」
どうやら自分の家は女の人達に囲まれてしまったらしい。窓の外にいる間違いなくあの不気味な女の人なのだ。
どうやら窓から覗き込もうとして自分の事を探しているみたいだった。
やばいやばいやばい…!
自分はリビングからすぐに出た。
「もうどうすればいいんだよ!」
自分は怖くなってトイレの中に入れ込んでしまった。とりあえず、今はここでやり過ごすしかないだろう。
自分がトイレに入って少しほっとした。
とりあえず奴らが帰ってくれるまでここで待つとするか。
すると、パリンッ!と何かを割る音が聞こえた。家の中に誰かが入ってきたようだ。次の瞬間にはドドドドドドドド!と家の中を誰かが駆け回る。
ピンポンピンポン! ドンドンドン! ガチャガチャガチャ! ドドドドドドドド!とまるで自分の住んでいる家が運動会みたいになっていた。
頼むからもう帰ってくれよ…!
自分はトイレの中で声を押し殺して祈った。どのくらいの間、トイレの中で過ごしただろうか。途中で自分は眠ってしまっていたのだった。
「あー、すっかり寝ちゃってみたいだ」
自分は起きると何か異変を感じるのだった。自分の体に何かが当たっている。すると、髪の長い不気味な女の人たちが自分を囲っていたのだった。
「ヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
「ギャーーーーー!!!!」
~おわり~
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