全人類、知能低下 ~まともなのは自分1人~
「なんなんだよぉ、これは!?」
自分以外の全人類が突然知能が低下してしまった。
「うきいいい!」
「あばばばばばばぼぼ!」
「ええ…」
まともな人間の言語を喋れなくなってしまったようだ。
みんな動物みたいに好き勝手やっている。まるで身体だけ大きくなった凶暴な猿みたいだった。
建物で爆走しているやつがいたり、うんちブリブリして気持ちよさそうにしているやつもいた
「これが人間のすることなのかよ…?」
普通にみんなそこら辺でうんこをし始めた。
頭の中からトイレという概念がすっぽりと抜け落ちているらしい。
これはもう人間じゃない。こんなのは動物と変わらない。
あとは普通に店で売られている食べ物をその場でお金を払わず食べたりしている。
「あばうまあばうま! むしゃむしゃ!」
「やばっ…。まじかよ…」
みんな普通に万引きをしていたのだ。人間というのは社会のルールを守れなくなったらもう動物となんら変わらない。
人間の社会では秩序というのは非常に大事なものだ。
秩序なしに人間は語れないのだ。
「ボケ死ね!」
「ぐげぎぎぎぃ!」
なかには普通に暴力を振るう人間もいた。これも知能が低くなったせいだ。
少しでもムカつくようなことがあったらすぐに手が出てしまっているようだ。
こんなのは人間じゃない。
「お前こっち見てんじゃねぇウキー! ぶん殴ってやるウキー!」
「うわー! こっちにきたー!」
凶暴になった人間が走ってこちらへやってきた。
自分は全速力で逃げたのだった。
「あんな凶暴な人間の近くにいられるかってーの! 」
「待てウキー!」
「誰が待つかよ! って、何かぐっちょりした物体踏んじゃった…!?」
自分は逃げている途中にうんこを踏んでしまった。
「何でこんなとこにうんこが落ちているんだよー!?」
「ウキー! ジョボボボ!」
それに加えて、みんなそこら辺で立ちションもしている。
「なんてひどい臭いなんだ…! 鼻がひん曲がりそう…!」
このままじゃどんどん街も臭くなって衛生的に悪くなっていってしまうそうだ。
そうなれば伝染病などが流行って多くの死者が出てしまうかもしれない。
そして死者が増えることによって、さらに伝染病が増えていくという悪循環に陥ってしまうかもしれない。
まるで人類はどんどん時代の逆光をしているようだ。
一体自分以外のみんなはどうしてしまったのだろうか?
「もしかして、本当は自分がおかしいのだろうか?」
そんな気がしてきた。自分以外のみんながおかしいとなんか不安になるのだ。
本当は一番おかしいのは自分なんじゃないかと。
でも自分はみんなと同じになる訳にはいかないと思った。
そうなってしまえば、もしかしたら本当に人類は昔の原始時代に逆戻りしてしまうかもしれないと思った。
今まともな人間は自分以外にはいないのだ。
「こんなことになっているのは、きっと何か原因があるのかもしれない。だとしたら自分がどうにかするしかない!」
このまま放っておけば、原始時代どころか某有名漫画の世紀末のような状態になってしまうだろう。
もしかしたら、それよりもひどくなるかもしれないり
「とりあえずまずは自分が生き残ることが 先決だ!」
こんな秩序のない社会ではサバンナに放り込まれているのと同じだ。
正直明日まで生き残れるかどうかも分からない。
このルールのない社会じゃ、自分は誰かに殺されてもおかしくないのだ。
「でもやるしかねぇだろぉ!」
自分はこの狂った世界を変えるために動き始めるのであった。
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