[ホラー] 深夜のスーパーマーケット
私はとあるスーパーに勤務しているのですが、雨の日の夜はちょっと怖いと感じる。
そして今日は雨の日だ。今は閉店してちょうど帰る時間帯だった。
「このスーパーってアレ出るんだよね…」
私とは違う部門のバイトの人がそう言った。見たことのない顔だけど多分新人だろう。
このバイトは、ちょっと厳しくてきついこともあり入れ替わりが激しいのだ。だからよく知らない人になっているということがよくある。
「そ、そうなんだね…」
確かにこのスーパーは夜になるとものすごく怖いのだ。暗闇から何かが飛び出てきそうな感じだ。
「もう何人も幽霊を見てるんだって、バイトがすぐやめちゃうのもそれが理由らしいよ。」
「え~怖いよ」
バイトをやめていくのに幽霊を見たのも1つの理由だという話を聞いたら、私は何か背筋がゾクッとした。厳しいからだけだと思っていた。
「昔さ、スーパーが立つ前にこの土地で事故があったらしいんだよね。それが幽霊の出る原因だと思うね」
「そ、そうなんだ…」
この子、新人なのに随分とここの土地について詳しいなと思った。それにしても怖いから私は早く家に帰りたい。
「このスーパーってよく電気も消えるし怖いよね。雨の日とか電気消えると本当に真っ暗になるからね。あ、今も電気がチカチカしてる」
「え!? ちょっとなんなの!? 」
電気がチカチカとし始めてた。それを見て私はものすごく怖くなった。
「そ、そろそろ帰ろっか…」
私は1秒でもここに居たくなかった。
「そうだね、帰ろっか。」
新人の人がそう言った途端にバチン!と電気が消えた。
「え?ちょっと、嘘でしょ!?」
私は真っ暗で何も見えないフロアが怖くて仕方がなかった。早く電気が着けとひたすら思った。
何分かすると「バチン!」と電気が着いた。電気が着いたのでもう今すぐに帰ろうと思った。だが、ある異変に気付く。
「あれ?あの子がいない!?」
新人の子がいなくなっていった。あまり見たことのない子だったし、もしかしたらあの子は幽霊だったのかもしれない。そう思うと怖くなってきた。その時だった。
「ワァ!」
「うわぁー!ビックリしたー!」
後ろから両肩を叩かれてさっきの新人の子が驚かせてきた。私は心臓が止まるかと思うぐらいにビックリした。あと腰を抜かした。
「ギャハハハハ! ドッキリ大成功!」
新人の子は笑っていた。こんなの笑って済む問題ではないと私は思った。
「もう怖いから途中でいなくならないでよ! それにそういう悪ふざけはよくないと思うよ! 心臓止まるかと思ったんだから! あと何で途中でいなくなったの!」
私が若干怒りながらそう聞くと新人の子はこう答えた。
「だって…僕自身が幽霊だから…」
「え、ちょっとなに言ってるの……?」
異様な緊張感が走った。明らかに空気が冷たくなった。それに恐怖で押しつぶされるような重たい感覚に包まれた。
「え?」
「え…?」
間違いなくこの新人の子は人間じゃないと私は思い始めている。なぜなら新人の子がみるみる顔色が悪くなっていき、明らかに生きていない人間の肌に変わっていったからだ。
「本当に心臓止まれば良かったのにね」
「え…?」
「今からでも心臓を止めてやろうか?」
新人の子は人が変わったような低い声でそう言った。私は本当に殺されると思いとにかく必死でスーパーから飛び出した。
そして、スーパーから逃げるように雨の降るなかで、傘もささずにひたすら走って逃げた。
そのあと、私はすぐにこのバイトをやめた。そのスーパーは怖くて2度と行けません。
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