逆だったかもしれない貧乏人2人の人生
ここには逆だったかもしれない二人の人生があった。「お金がなくて社会に復讐する人間」と「お金がなくてもコツコツ貯めて悠々自適のリタイア」をした人間がいた。
「やっぱりお金っていうのは使わないと損するよな! お金はあればあるだけどんどん使った方がいいんだ! ギャンブルで一発を当てて俺は絶対に金持ちになってやる!」
そして今日もパチンコに競馬と行ってきたのだった。そして8時間後。
「どっちも負けたじゃねえかクソォ! これで全財産がなくなった! 明日からまた一からの厳しい生活が始まるのか…」
考えるだけで憂鬱だ。目を逸らしていた現実に一気に引き戻された。
「いつか皆を見返してやるぜ。俺を馬鹿にしてきたやつをギャンブルで一発逆転して馬鹿にしてやるぜ」
そしてもう一人の人間の生き方はこうだった。
「お前さ、そんな生活しててつまんなくないのか? 低賃金なのに毎日コツコツお金貯めてよー。そんなことしてっと、つまらないまま人生を終えていくぞ?」
「いや、俺はこれでいいんだよ。別に特にやりたいこともないし」
「まじかよ」
「強いていうなら仕事が一番やりたくないかな」
「なるほどね。お前は後で絶対に人生後悔するタイプだな」
そう言うと同僚は去っていった。
余計なお世話だ! こんな仕事すぐに辞めてやるんだ! そのためには支出を毎日切り詰めてお金を貯めて絶対に仕事を辞めてやるんだ!
どんなにバカにされようと、どんなにコキ使われようと最後は絶対に自分がゴールテープを切るぞ。
もう一人の男は毎日コツコツと仕事をして全てのお金を貯金していたのだった。そして数年が経過した。
「だいぶお金も貯まったなあ。そろそろ投資でも始めようかな?」
堅実な投資先にお金を預けて、それが更なるお金を産んで、どんどんお金が雪だるま式に増えていくのだった。
数十年後、男は今資産が3000万円を超えていたのであった。
「やっと自分はリタイアできる! ここからは自由だぁー!」
そして労働とは無縁の生活を送って行くのだった。だがしかし独身である。そして男はリタイアして悩みが出てきた。
「あー、暇すぎてしょうがない…。無理してここまでする必要なかったかもな…」
そして散財をしまくっていた一人目の男に戻る。時が数十年が経過した。今もまだ底辺ををさまよっていた。
「クソ! なんで俺はこんなにお金がないんだ! 何もかも周りの奴らのせいだ!」
もう誰かのせいにしていないと、とてもじゃないけど精神を保てずにいた。
「国のせいだ! 社会のせいだ! お金を持っている奴が憎い! 幸せそうにしている奴が憎い! くそが! 俺がお金を持っていないのは全部他の奴らのせいなんだ! 同級生のやつらはみんな家庭を持ってて幸せそうで許せない! もうこうなったら俺はこの社会に復讐してやる!」
そして男は自分を見捨てたと感じさせた社会に復讐を決意するのだった。
「どうせ俺は生きてたって今後の人生良いことはないんだ! だったら自爆テロを起こしてやる! 幸せそうなやつらを道連れだ!」
そして男は大都市で自爆テロを決行するのであった。数百人規模の死傷者を出す結果となったなった。
この2人、選択が違えば生き方が逆だったかもしれないのだ。人生なんていうのはどのように歩むかかなんて誰にもわからない。
ただ、どちらの人生も結果的には不幸そうだ。
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