貧しい自分に未来の自分からお金が送られてきた
自分が中学2年生ぐらいになった時だった。なんと自分宛によくお金を送られてくるようになったのだった。
送り主はどうやら未来の自分らしくて手紙にはこう書かれていた。
「今のキミはもしかしたらお金でかなり困っているのかもしれない。同級生とも共通の話題も話せなくて取り残されているのかもしれない。どうせ君のことだからLINE とかもスマホがなくてやっていないのだろう。このお金を使っている中学2年生の貴重な時期を充実させてくれ」
とにかくよくわからないが未来の自分からお金をもらったのだった。そして自分は欲しいものを買いまくった。
まず前から欲しかったゲーム機を全て買った。後は友達と LINE とかもやってみたかったのでタブレットも買った。
一応スマホではなくタブレットにしておいた。これでどうにか友達達の輪の中に入っていけそうだなと思った。
それからというもの中学2年生という期間はものすごく楽しかった。お金は毎月のように未来の自分から送られてきて、いろんなところへ遊びに行ったりした。
「LINE とかは本当に便利だね。すぐに友達と連絡を取り合って遊びに行けたりするんだから」
こんな感じで中学2年生は充実した毎日を送った。未来から送られてきたお金は全て使い切った。
そしてある時、未来の自分からまた手紙が送られてきた。
「お金を送るのは今回が最後だ。もし君が大人になったら次はその時の君が中学2年生の自分にお金を送るんだ」
手紙にはそう書き記されていた。
「ふざけんじゃねえよ! 誰が過去の自分なんかに金を送るかよ!」
そんなことを言っていると手紙で一部見落としていた部分があった。
「もし過去の自分にお金を送らなかった場合は君自身が消滅するかもしれない。だって今のキミは自分がお金を送っているからこそ存在しているのだから」
「ええええ…」
これには自分も顔面蒼白という感じだった。
そして中学3年生になっても、なんとなくタブレットでゲームしたり過ごしてどんどん頭悪くなっていく。
当然、受験勉強もせずに遊びほうけていたので良い高校には行けなかった。そして高校へは行ったが、そんなに行きたくもない高校だったので当然何もやる気が起きない。
勉強ももちろん頑張らないし、何かすごいことが出来るわけでもない。そして大したことも成さずにそのまま高校を卒業して、それから大人になってしまったのだった。
「大人になったら毎月過去の自分にお金を送らないといけなかったな。うわー、めんどくせー! つか金ねぇー!」
お金がないので、どうにか良い方法はないかなあと考えた。とりあえず、今の自分はお金がない。
なぜなら働いていないからだ。でも過去の自分には絶対にお金を払わなければならない。
そこで自分はとても良いアイデアを考えたのだった。自分は過去の自分に宝くじの当選番号を知らせたのだ。
中学2年生の自分に宛てて宝くじの当選番号を書いた紙を過去に送った。
「これでなんとかお金を払わずに済んだぞ!」
するとタイムパトロールに見つかって自分は捕まってしまったのだった。しかもかなりの重罪だった。
刑務所からはいつ出れるかも分からないほどの重罪となった。自分は本当に大馬鹿だ。
こうして人生で一番輝いていたのが中学生の間だけとなり、その後の人生をすべて棒に振ったのであった。
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