英単語で戦う世界(物理)

@alenkaichou

第一章 出会い

プロローグ

 昔々、一人の白き少年がいた。その白き少年は夢を見た。


「我は選ばれし神なり。今からお前に言葉の力を与える。」


「え、いや誰?」


「力の名はrule《支配》だ。この言葉の言語は英語という、これから世界で最も使われるようになる言語だ。この力を使うことで、地球を支配は出来ないが、地球に干渉できるようになる。この力を世界を変えてみよ。」


「いや、待って急過ぎるんだけど。言葉の力って何?るーるって何さ。いや、世界を変えるそもそも…」


彼の質問が言い終わる間もなく、夢は終わってしまった。それが単なる1人間の夢だったならば、世界はここまで大きい変革は起きなかったのだろう。しかし、彼の身には確かな変化が起きていた。彼の右頬には『rule』という見たことの無い図形?のようなものが刻まれており、そこには能力が宿っていた。

そして彼は自然とその力の概要を理解した。これはあらゆるものを支配する力であると。さらにこの力は世界をより豊かにするものであると。そう信じた彼は早速世界にruleを設けたを支配した


1、この世界の人間全てがこれに類するを持つこと


2、言葉の力で干渉できる範囲は人様々である


3、必ず体のどこかに得た異能を生まれつき刻むこと


4、世界の人々にこの異能が発現する50年前に世界中の人間に「異能の発言」を伝えること


そして、世界はそれを許容した。


白き少年は見事、神の言う通り、世界を変革したのだ。


当然、異能の発現時には混乱が起きた。そして、決して少なくない犠牲者が出た。しかし予め決めておいた四つ目のruleのおかげで、その混乱は直ぐにおさまった。そして、これをきっかけに西洋を中心として発達したという英語は世界中に広まった。





~700年後~




「そしてこの力を言葉の力と、かの有名な作家ジェイムズ・ストールンが名付けたという訳だな。」


ああ、授業暇だ。歴史の勉強マジで嫌い。というか授業全般嫌いだけど…

何なの、700年前の人が決めたガバガバのルールをどうして学ばなきゃいけないんだよ…

そう、このルールには盲点があった。それは、発現する言葉の数がきまっていないことだ。例えばこの学校の生徒会長は言葉を5つ持っているし、二つ持ちの人もたくさんいる。そのため、能力によっては、迫害を受けている地域もあった。

はあ、暇だ。寝るか。俺の能力はremember《思い出す》だ。

だから、聞き流しても大丈夫だろう。それでは夢の世界へ…


 「おい‼起きろ‼」


誰かに呼ばれた気がしたため前を見ると、そこにはこっちに向かって飛んでくる、白い円柱の物体が…


 「ぐはっっっ‼ちょっと、チョーク投げないでください‼頭に当たったじゃないですか!記憶喪失にでもなったらどうするんですか‼」


 「よし、自分の能力をよく確認してからもう一度言ってみろ。」


 「あ、大丈夫でした。」


 「では、もっと当てても大丈夫だな。」


 「待ってください‼それでも痛いものは、痛いんです‼大体、先生の方こそ自分の能力を確認してくださいよ‼」 


 「ん?私の能力はthrow《投げる》だが?」


 「『ん?なにか問題でも?』みたいな顔をしないでください‼よく、そんな能力を持っていながらそんな発想に至りましたね‼大体それ体罰ですよ‼体罰‼」


 「ほーう、何か文句でも?」(チョークを構えながら)


 「………」


 「よし、では授業を再開する。」


 はあ、何が言葉の力だよ。シンプルな力じゃん。結局は力の強い者が上に立つんだな。なんて理不尽なんだ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る