ガラスの蠱毒
森でマムシを採る。
野でイラガを採る。
山でハチを採る。
ガラス瓶に毒を納めつつ巡り歩いて海に来たる。
足元からは砂を掴む感触。
眼下に広がるは赤い太陽。
百番目に採ったウミヘビを入れて固く封をした。
私はそれを落日に向かって放り投げた。
様々な顔を見せる月の下で浮かぶ小船。
幾人もの穢を落としてきた海水に揉まれながらガラスの中は暗く、闇く。
異国の浜辺に禍客船はたどり着いた。
船体は魅惑的に鈍く輝く。
ある者、メッセージボトルと見紛いて無防備に封を解く。
この時、ある者はある者ではなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます