自由帳
一色梅花
えび太郎
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯をしに行きました。
おばあさんが洗濯をしていると川上から大きなえびが一匹、
「てんぷらこー。
てんぷらこー。」
と流れてきました。おばあさんはえびをがっしりと捕まえて、
「決めたで!
今日は天ぷらにするぞい!」
と笑みを浮かべていいました。おばあさんは洗濯を終えるとかごの中にえびを入れて帰りました。
下ごしらえをしたえびにコロモつけて、あつあつの油の中に入れました。ぷつぷつを音を立てました。おばあさんは泡を数えるように見ながら
「まだかの。
まだかの。」
とつぶやいていると、えびが油の上をはしゃぐように走り、よく響く音がしてきました。
「揚がったで!」
とても大きなえびの天ぷらだったのでトンカツのように五等分にしようと思いました。
おばあさんは包丁を振り上げて勢いよく天ぷらを切りました。
するとどうでしょう。
てんぷらの中からえび太郎が誕生しました。
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