美人探偵は婚活中!

桃白ゆうこ

第1話

私の名前は桃白ゆうこです。父が開業医で、いろいろな人から見合い話をいただきます。お相手は、かなり素敵な人ばかりですが、いつも苦戦しています。ちなみに、私は、アナウンサーの膳場貴子さんにお顔が似ていると、何回か言われたことがあります。


私の結婚相手を選ぶ基準は、明確です。顔や学歴や年収ではなく、性格が自分とピッタリとフィットすることが条件です。


ですが、それが一番難しいのです。

内向的で独特な性格な私ですので、正直、難関大学合格より婚活の方がしんどいです。


そんな私ですが、趣味は読書会に行くことと、日常の中で謎をみつけて、探偵のまねごとをすることです。


婚活はとても疲れるので、趣味がないとやってられません。


それでは、私の婚活話を聞いて下さい。どのエピソードを話しましょうか?


では、印象深くておもしろいエピソードからお話しますね。プライバシーに関わるといけないので、所々、特徴や職業は一部フェイクを交えて、お相手を特定できないように語ろうと思います。


ある時、父の知り合いのツテで、優しそうで、ハンサムで、筋肉ムキムキな高学歴な医療従事者の方とお食事をすることになりました。


場所は大阪駅界隈の高級ホテルの喫茶室です。

ですが、会話の波長が合いませんでした。


「ゆうこちゃんの趣味は推理小説なんですね!?

工藤新一か!!(笑)」


「僕ですか?僕は本は読まないです。あ、児童向けに書かれたシャーロックホームズだったら、読んだことあります!」


【最初は名字にさん付けで呼んで欲しいな。あと、急に工藤新一と結び付けに来るところがなんか合わないな。私も昔は、名探偵コナンは好きだったけど…。あと、一冊も大人向けの本のタイトル挙げられない人は合わないな。】



ちなみに【】は私の心の声です。



周りの人に言わせれば、「あんな好条件の人を断るなんて、どうかしている。ゆうこは、わがまま病!」だそうです。


ですが、性格があわない人と食事をすると、私は胃が痛くなってしまうのです。


お見合い相手の方に、もう一軒、お茶に誘われましたが、お断りして、帰りに一人でローソンに入りました。飲み物を買うためです。


しかし、そこで不思議なことがありました。お会計の時、ローソンの店員さんが右手人指し指にセロテープを巻いていたのです。第一関節の辺りです。


私は、身の回りに謎があると推理せずにはいられません。彼はなぜ、そんなところにテープを巻いていたのでしょうか?


読者の皆さんも、お暇でしたら、ちょっとだけ考えてみて下さい。




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