第2話 少年編1
"オギャー、オギャー!"
「お父さん、お母さん、おめでとうございます!3200gの元気な男の子ですよ」
1970年代初頭の第2次ベビーブームの中、まだ日本が豊らかで活気があり、後に訪れるバブルの崩壊やリーマンショックなどの世界的な経済危機をむかえることなど知る由もない時代にこの物語の主人公、前田隆司はこの世に生をうける。
しかしこの男、のちに偉業を成し遂げたりするような大それた人物ではなく、いたって平凡な、見ようによっては面白い人生を歩んでいくこととなる。
「春子ぉ~!よく頑張ったなぁ~」と隆司の父親の隆一は満面の笑みで初産を乗り切った隆司の母、春子に言った。
「楽勝よ~!まれにみる安産やったらしいよっ」と春子はさも他人事のようにあっけらかんと言ってのける。
この女、明るくポジティブな性格で自己中、いわゆる典型的な大阪のオバタリアン予備軍なのだ。
ただ、ここぞという時の決断力はとても合理的な現実主義者で男前。
良いも悪いも、こんなオカンの性格と温厚で温厚で温厚なそれ以外に何も無いオトンの性格は我が子へと受け継がれていく。
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