メンタルヘルスは惹かれあう

@kendiku

メンタルヘルスは惹かれあう


メンヘラと付き合いがちだ。


なぜか。


自分より元気がない人の前では自分は元気になれるからだ。


マウントをとっているわけではない。庇護欲や救いたいという感情があるわけではない。


元気な人の前では、自分は元気にならなきゃと思って、そしてちゃんと元気になるからだ。




そう、自分もメンヘラだった。




メンヘラと付き合うことは自分にとっての抗うつ剤なのだ。


そして自分もメンヘラだから、相手の暗い感情に耐え切れなくなった時、一方的に別れるのだ。




もしメンヘラと付き合ってしまいがちな人は自分が傷ついていないか試みてほしい。










以降は健常者の方には毒です。幸せのまま人生を終えたい人は読まないでください。



いつ自分がこの状態に陥ったのかわからない。前までは大学院で、追い詰められたことが原因だと思っていたが、最近になってもっと前からなのではないかと感じている。


というか各ライフステージで暗い経験はしてきている。これを思い出すこと自体よくないのかもしれない。


自分は常に自傷行為をし、弟に今思えば暴力を働いていた。周りが本気で止めなかったあたりはまだ遊びの藩中だったのだろうか。とりあえず私はとっくにサインは出していたのだ。


母は熱心に習い事をさせた。自分は特段やりたいとは思っていなかった。母の口癖は芸は身を助けるだった。昨今、Youtuberが活躍している現状を見るとそれは間違いではないだろう。

しかし自分が好きでもないものでごはんを食べている人間はいるのだろうか。

習い事は当然やりたくないから、さぼろうとするし、ぐずる。母はそんな私を食べ物でつることで、私に習い事をさせていた。

そのため私は順調に太り、デブと馬鹿にされるまでに時間はかからなかった。


デブな私を見て、母はモテさせるために、さらに習い事を増やした。ピアノ、剣道、英会話、そろばん、塾、野球。増えて増えて一週間で習い事がない日など なかった。鶏が先が卵が先か。習い事でデブになったのか、デブになったから習い事が増えたのか。習い事をさせてもらえるなんて贅沢だ。そういう人は多いだろう。そうなると習い事というのは適切ではない。あれはまさしく労働だった。何も得られない労働だ。


母のうちにあり、私にぶつけられたコンプレックスは何だったのだろう。わからない。そろばんをさぼって適当にやっていることを母が知って、なぜか泣いた。その涙を見て、私はいけないことをしたんだと思ったのが良くなかった。

それからだ。いやなことでも我慢し始めたのは。いつか報われるとか、そんなものはない。習い事をこなす機械だ。決められた時間に、決められた茶番を行い、時間が過ぎるのをひたすらに耐える。

夏の暑い日でも冬の寒い日でも、剣道場でボロカスにたたかれた、野球で影口を言われ続けた。この時もまだデブだったので、下級生に負けるし、自分としても強くなりたいなど思っていなかったから、負け続けた。負け癖はここでついたのだろう。

さて中学に上がると、学力というコンテンツが人間のカテゴリーに加わる。まぁ小学校から塾に通っていたのだ、そりゃできる。ここで馬鹿にされることは少なくなったが、結局、その時ケロロ軍曹が好きだということでオタク呼ばわりされ、馬鹿にされ始める。結果、ケロロ軍曹が好きじゃなくなった。そうすれば、嫌われないと思ったからだ。当然そんなことはない。

オタクだ…と言い放った声の主が誰なのか、言われた当時ですらわからなかった。誰ともわからないやつに、好かれたいではなく、嫌われたくないという感情で好きなものを捨てたのだ。なんなんだろう、この生物。

それは一年のことだった。それから部活でクラブチームに通うようになった。今思えば初めて自分からした習い事かもしれない。強くはなれなかった。そのかわりにやせた。だからこそ二、三年は比較的楽しく過ごせた。

高校受験も苦労しなかった。母は言った。


今我慢すればあとはバラ色。


いい高校に入って、いい大学に入って、いい企業に入れば、モテるようになる。


正解だが、正しくない。


高校では自己紹介に失敗し、クラスで浮いた。ここで母の言葉が曲解され、ある思想となってしまう。今、浮いているのは自分が周りと同じ共同体にいるから。つまり周りを見返せるようになればいい。

ここまでならよかったが、何を思ったか、今はどーでもいいと切り捨ててしまった。周りを見返す未来にこそ価値があると。いやはや空脳(そらのう)とは怖いものだ。


そして大学受験、高望みをし、失敗。後期で地元国公立に進学。なんとここでも今を切り捨てる。建築の課題に明け暮れる日々。遊んでいる奴らはクソ、見下すために、そして自分はすごいやつなんだと思いたいために。


課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題課題


はい入賞0、なんなら遊んでいたやつの方が選ばれる始末。どうして自分の努力が間違っていることに気づかない私。

そして自分は駄目だと思い、特異なことをやっている研究室へ入ることにした。ここでなら他を見返す何かが手に入るかもしれない。

現場主義のワンマン教授、罵倒怒号は当たり前。恐怖政治と見せしめ。教授の趣味でしかない研究内容。2か月で折れた。はっきりとしたうつ症状が現れたのはこのあたりから。逃げようとほかの研究室の先生に打診を賭けるもやんわりと断られる。

そしてあきらめ、また耐えることを選んでしまった。

大学を変えてまで窮地を脱しようとしない当たり、本当に救いようのない馬鹿なのだ。

ブラックに耐え、先輩を助け、後輩を守り、同期にはいいように使われ、そして最後は教授の横領に使われていたことが発覚。


フィクションですか、いいえ現実です。23才で弁護士の前で証言を取られるなんてめったにない経験なんではないだろうか。


お金の大切さ、教えていただきました。そして就職先は金で選んだ。やりたいこと、得意なこと、はちゃんとあったのに。

もう自分を偽ることなんて簡単なのだ。自分の思うまま生きる方が難しい。だって、自分のしたいことは努力じゃないと定義されているし、無能な自分は努力していないともっとひどい目に合うと思っているから。

なによりその好きなことは今までの耐えも頑張りもいらない世界なのだ。目を閉じるといままで殺してきた過去の自分が血涙を流しながら、今の私に刃を突き刺してくる。


「私は何のために」


グッサ、グッサ、グッサ、グッサ、グッサ、グッサ。もはや万華鏡写輪眼、月読だ。


そして今、お金を得るためには資格が必要であることが分かった。そしてその資格は難関なのだが、勉強してその難関さが自分の想定以上であると思い知った。

資格が得られなければ、私がすべてを殺して今の仕事を選んだ意味など消えてしまうのだ。耐えることが得意な私なら、資格勉強など簡単な話だと思うだろう。それは違う。私は耐えることが出来ても結果を出せるタイプの人間ではないのだ。

そして努力をして成功した経験がない。もう失敗する方が想像に難くない。そして合格への焦りから、スクールに100万入れてしまったため、プレッシャーをさらに増やしている。

だったらこんなところに駄文を書いていないで、不安を消すために勉強をしろと思うだろう。至極もっともである。しかしもはや不安で手につかないのだ。

そして厄介なことは試験はまだ5か月先なのである。なぜ今、この不安が常に身をまとっているかもわからない。きっとこの耐えてきた人生で得たものがないからなのだ。だから今の在り方にどうしようもなく悲観的になり、その悲観の説得力の向上に資格試験に落ちるという安易なストーリーが結びついている。

コロナ鬱とは世間は平和だなと思う。こちとら人生がすでに詰んでいるのだ。何が幸せなのか、どうすれば幸せになれるのかとかもう分からない、元の世の中に戻ったところで、私の人生は常に緊急事態宣言なのだ。

ここまで自分を導いた思想の通りに行くなら、いい女を捕まえれば人生は報われるのだろう。しかしNOだ。まずいい女ってなんだ。一般的な価値観で考えられるそういう人のまえではただ卑屈になるだけのゴミが。お前が欲しいのは自分の劣等感を消し去ってくれるリアルな便器だろ。Amazonを覗け、学生時代には買えなかった良質なものが、今は選び放題だ。

こころのホットラインに『死にたいです』ではなく、『殺したいほど憎いやつがいる』と電話したらどうなるだろう。はいはいと聞き流されるか?それとも警察か?

そんなこと考えながら、今日も息を止めてみる(うつにいいのはこれだと、ひろゆきさんが勧めていた)。


さて、ここまで醜悪な人間を見たことがあるだろうか?

あなたは、もっとまともな人だろう?

すきなものがあり、つらくても生きる理由がそれなりにあるのではないか?

生きなきゃいけないと思って生きている私とは違うだろう。


こうなりたくないなら今を大切にしろ。勉強から逃げるな。宝くじ当てて、一生つつましい生活を送れようになる以外で、勉強から逃れるすべはないぞ。だから好きなことを勉強していられるように、今を大切にしろ。目的を持て。

今を大切にするというのは、感情ではなく行動の話だ。

私と同じように、不安で勉強が手につかないなら、落ちた時の責任の取り方を考えてみろ。私は1年という時間と100万円という大金、そしてわずかに残っていた未来の展望を失う。あなたは何を失う?その失ったものは取り戻せるのか?あの時こうしておけばよかったと30手前でネットに自分の人生の恨みつらみを書きなぐるような人間になる覚悟はできたか?

覚悟が出来たら、さぁ逃げろ。その逃げを正解にするまで逃げ続けろ。意地でもだ。他の追随を許さないスピード逃げれば、何事もあなたをおわないぞ。

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