第6話 運が良ければ食べられる、幸運のスープ。

 おなかがすいた。


 いつもより遅い時間のスーパー。


 さてさて、何を頂きましょうかね。





 色々あって、晩御飯の買い物が少し遅くなった日。晩御飯の後に、明日のお弁当のおかずが何もなーい! なんて、スーパーへ走る事になった日。ちょっとちょこっと夜のスーパーへ行ける日。


 そんな時、幸運は訪れるかもしれない。


 お野菜コーナーの、カット済み野菜の中に潜んでいる。


 そう、カット済み薬味!


 ネギだけでもいいし、葱と茗荷とのコンビだって嬉しい。


 そこへ、半額シールという特別な装いがかけられた時、手にするのだ。


 だって、定価だったら自分で切る方が安いんだもん。だけど、夜食にちょっと使いたいとか、洗い物しない贅沢を味わいたい時には、とても有難いものなんだもん。




 帰宅して、今日も一日が終わりを迎える深夜。


 台所で幸運のスープがうまれる。


 小鍋にお水を張って、火にかける。


 さあ、ヒガシマルのうどんスープ。いつものやつ、頼みます。サラサララ。


 ふつふつお湯が沸いてきたら、卵を割ってそのまま鍋へポン。オタマで崩しながらかき混ぜる。そこへ半額の薬味ちゃん達をパララっと。


 いい匂い。卵と薬味がお湯の中で踊っている。そうだ、冷蔵庫からポークウィンナーも出して、ポポンと。ポチャポチャ入れる。


 ポークウィンナー、一口で食べやすいし、火の通りも早いし、こういう時に本当助かります。お肉お肉。


 さあ、洗い物は鍋とオタマだけ。あ、お皿とスプーンもか。


 買ったものをポンポン入れるだけの、お手軽美味しい、幸運のスープ!


 かーんせーい!




 優しい卵とシャキシャキ薬味。ちょこっとチープな味わいもまたイイ、ポークウィンナー。そしてそれらの旨味が合わさったスープ。


 肉、野菜、卵と、材料をポンポンしただけなのに、バランスだって悪くない。……悪くないよね? 一人お夜食にしては、上出来だよね?


 はふはふと、熱々のスープを口へ運ぶ。


 ウィンナーのしょっぱさに、卵のまろやかさ、葱のさっぱりシャキシャキ、スープも合間にごっくん。


 一人、YouTubeで動画なんて見ながら、頭空っぽにしていく。色んな日々の疲れは、ちょこっと端っこに置いといて。解放される時間も、必要なんです。うん。


 深夜のリラックスタイムは、満たされた満腹感と共に終わりを迎える。



 あ~美味しかった。御馳走様!

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