第2話 ぷにぷにもにゅもにゅで、マヨソース。

 おなかがすいた。


 さてさて、今夜は何を頂きましょうかね。




 ……ちょっと、お肉ついてきたかな? 冷蔵庫の前で、自分のお腹をつまんでみる。


 うん、蒟蒻。蒟蒻はダイエット食品だから。ほら、蒟蒻畑もそう言ってる。


 冷蔵庫から『つきこん』うどんの麺みたいに太長い麺状の蒟蒻を取り出すと、おもむろにざくざく切ってボウルへ。


 プルンプルンの蒟蒻をサイコロみたいに切るのは難しい。だから、つきこんを使う。つきこんなら、まとめてざくざく切るだけで簡単にちびっちゃく切れる。


 そこへ、お好み焼きかたこ焼きの素、ミックス粉をボウルへ投入。分量? 勿論目分量だよ。今回はカロリーを考えて、蒟蒻と同じくらい。メインが蒟蒻じゃないかっていうくらい、こんにゃくにゃくにゃくしておく。


 卵も一個入れて、あれば玉ねぎとか長ネギとか、適当な野菜をあるもの入れちゃう。勿論適当にざくざく刻んで。大きさを細かく揃えたりしない。適当でいいんだよ、自分用のお夜食なんだから。

 そして、ツナ缶を一個。これが美味しいんですよ。水系は水気を切って。オイルのも、夜食用ならオイル切った方がいいかなぁ。


 さあ、ここで、ヒガシマルの登場だ。粉末うどんスープ君に、味をキメてもらう。


 ねりねりねりねり。材料の入ったボウルを、菜箸でかきまぜる。大体混ざったら、フライパンへ油を引いて。オタマでボウルの中身をざっくり取って、フライパンで焼く。


 油はごま油を使うと、香ばしくってまた良い。それに、ごま油は体に良い気がする。うん。多分。知らんけど。


 ジュウジュウ焼いて、ひっくり返す。両面焼けたら、お皿へポン。ボウルが空になるまで、数枚焼く。



 さあ、ソースさんとマヨネーズちゃんの出番だよ。


 この二人は、なんて相性が良いんだろう。それは、バターと醤油くらい仲良しさんだと思う。


 控えるべきだと思いつつ、マヨソースを心ゆくまでかける。


 あぁ、罪な味。


 でも、ほら、蒟蒻だから。メインは蒟蒻。うん。大丈夫大丈夫。……大丈夫、だよね?



 蒟蒻ツナねぎ焼き(ネギは玉ねぎでも長ネギでも、なんならキャベツでも残り物野菜でいい)は、蒟蒻のぷにゅぴにゅもにゅもにゅの触感がタコに似てる。しかしてお値段は遥かに安い! そこへシャキシャキのネギがまた合う。


 こんな深夜に粉物だなんて、貴様、正気か!


 しかし、お箸は止まらない。ソースの深い味わいとマヨのまろやかさが口の中に広がる。ツナとマッチして、おいしい。とまらん。



 お好み焼き粉だと、ふんわり美味しいお好み風。たこ焼き粉だと、端っことかがタコ焼きの外側みたいにカリカリ気味なのも美味しい。


 いちまーい、にまーい、さんまーい……


 キャー! もう、何枚食べたか、数えるのはやめよう。皿屋敷じゃああるめぇし。



 あー、おいしかった。ごちそうさま。

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