セーバルぶらり旅最終章から考えるセルリウムとサンドスター
油絵オヤジ
セーバルという存在
以前、けもフレ展のけものフレンズワールドで衝撃的だったのは、サンドスターがセルリウムの劣化したものだという記載だった。アニメを見た限り、サンドスターが先にあって、劣化変異したのがセルリウムだと思っていたから。
それがけものフレンズ3をプレイするにつれ、特に今回のセーバルぶらり旅の5章で腑に落ちるものがあった。
[確かにサンドスターはセルリウムの劣化したものなのかもしれない。不純物を取り込んで、経年変化して。そうすることで、セルリウムとサンドスターは、決定的な性質の違いを生じた。それが「輝きの生成」である。
セルリウムから生まれたセルリアンは、純粋であるが故に輝きを生み出せない。本能的に輝きを欲するのに、奪うことしか獲得手段を持たない。それに対して、不純物を取り込んだサンドスターから生まれたフレンズたちは、輝きを生み出す。不純物とは、不要物ではなく、進化への要素だったのだ。これは、ルーラーの言葉にも表れている。フレンズもヒトも儚い、と。セルリアンは永遠だと。つまりそれは、変化するものとしないものとの差だ。さらにルーラーは言う。セーバルはセルリアンであり、フレンズではなく、真似をしているに過ぎないと。セーバルとセルリアンは同じなのだ、あなたはわたし、わたしはあなたなのだと。生まれたばかりのセーバルは、確かにそうだったのだろう。だが、セーバルはさまざまなことを経験した。たくさんのフレンズやヒトと出会い、関わり合い、旅をした。それは不純物を取り込むのに等しい。そうして、セーバルはセルリアンとは言えないものになった。輝きを生み出すものに。それこそがセーバルとセルリアンとの決定的な違い。それをルーラーは理解できなかった。ルーラーには不純物はない。だから不純物の存在は理解の範疇の外にある。違うものになったセーバルと、純粋なセルリアンは同化することなどできないだろう。もし双方同意のもとに同化しようとしても、拒否反応が起きたに違いない。
だから、セーバルがセルリアンの元に戻ることなど、最初からあり得ないことだった。大団円を迎えることは、最初から決まっていたのだ。
ただ、ルーラーのような存在が脅威なのは変わらない。巨大セルリアンの時は戦場や戦線があり、安全な後方があった。ルーラーが生まれたことで、大艦巨砲主義的な戦いから、指揮統制された非正規戦とも言うべき戦いに移行したのだ。超強力なボスセルリアンがいるより、一体一体は非力でも、統制され、どこにでも現れるセルリアンの方が本質的に脅威だ。
もはや安全な後方など、存在しない。]
それに対して、探検隊は、隊長はどう対処していくのだろう。本編新章が楽しみだ。
セーバルぶらり旅最終章から考えるセルリウムとサンドスター 油絵オヤジ @aburaeoyaji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
愛の獣/油絵オヤジ
★20 二次創作:けものフレンズ 完結済 46話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます