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彼は、あの流れ星だったんじゃないかと、思う。
私に夢を見せてくれて。願い事を叶える猶予のために、長く空に残ってくれて。それなのに私は、願い事をせず、ただその綺麗な流れ星を眺めていた。いつか消えると。分かっていたのに。綺麗な流れ星だと。思うだけで。
それだけだった。
彼の手の温もりと。彼の胸の暖かさ。心の奥の、暖かいところまで。思い出せる。でも、思い出すだけで。ふれることはできない。
手を伸ばした。何もない。少し探ったら、通信端末。もう私の名前を呼ぶこともない、ただの機械。繋がれない携帯。
空が、紅くなっている。朝だろうか。それとも、夕暮れ。通信端末の表示は、四時。少しだけ、端末が震えた。
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