第53話 かけら
薄曇りの空
薄暗い海
白い波飛沫
砂浜でサンダルを片手に
裸足で人のいない海辺をゆっくり歩く
いつかあの人と歩いた潮騒の響く海──
砂浜に足跡をひとつ残しながら
海へ近づく
暗い波は打ち寄せては返す
いつか来たあの人のかけらも
波に揺られて白い泡を広げて
打ち寄せるだろうか
一緒にいた私のかけらとともに
白い泡になり……
様々な想いのかけらは
打ち寄せては返す波に揺られる
そんな気がして
時折足先に冷たい水の感触
あの人に触れたくてしゃがみこみ
サンダルをおいて手を伸ばす
白い泡の弾ける薄暗い波打ち際で──
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。