第37話 くるりひらり

一枚の薄紅の花びらが

咲いた花から引きちぎれて

ふわり宙を舞う


くるりひらりと

そのいた場所を遠く見るように


事切れたのか風に強く吹かれたのか


その花からの別離

風に身を任せたまま舞を舞い


くるりひらりと下降しながら

その身は地に落ちる


吹き上げられながらも

花びらはもう花には帰れない


帰れない花を見上げながら

花びらは宙を舞い

地に落ちながら

いたずらな風にどこまでも流されていった

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